「B型作業所の給料ってどれくらいなのかな?」と考えている方へ、始めにはっきりと言いますが、とても低いです。
今回はB型作業所の給料、B型作業所で働く際の注意点、B型作業所で働くメリットについて紹介します。
B型作業所の給料は?
B型作業所の給料について、詳しく紹介します。
B型作業所は「賃金」ではなく「工賃」
そもそもB型作業所の場合、「給料」ではなく「工賃」といいます。
「給料」とは雇い主が労働者に支払う労働の報酬を指します。
一方の利用者と作業所の雇用契約を結ばす、行った作業に対する対価として支払うものを「工賃」と呼んでいます。
報酬をいただけるのは同じですが、主にA型作業所でもらえる報酬を「給料」、B型作業所でもらえる報酬は「工賃」と言われています。
B型作業所の月の工賃は?
令和3年のB型作業所で支払われた工賃の平均月額は16.507円でした。
A型作業所が81.645円。時給換算すると、B型作業所は222円、A型作業所は899円となります。
B型作業所は雇用契約を結ばないので、県の最低賃金を下回っても特に問題はありません。そのためこのような低い数値になっているのです。
B型作業所で働く際の注意点
B型作業所の賃金について紹介しました。
では次に「B型作業所に通所しようかな」と考えている人へ、注意点をご紹介します。
賃金を考えるならA型作業所
前述したようにB型作業所の賃金は非常に低く、どれだけ頑張っても3万円を超えることはまずないでしょう。
そもそもB型作業所はA型作業所に行くことが難しい、まだ症状が安定しないながらも社会と接する場、と考えると「仕事をする場」ではないと言えます。
そのためお給料を考えるのならば、A型作業所、もしくは障害者雇用を探すようにしましょう。
「まだ自分には無理」と思う場合はB型作業所で頑張り、いずれは他の事業所や賃金が頂ける職場で働けるようにしましょう。
社会保険・福利厚生の確認
何度も書いていますがB型作業所は雇用契約を結んでいないので、有給休暇などはありません。
その代わり自分の体調に合わせて働くことができるのが大きなメリットです。
同じく福利厚生もありませんので、B型作業所は就労するというより「仕事をする訓練の場」と考える方が良いかもしれません。
履歴書に通所していたことを書くべきか
履歴書にB型作業所へ通所していたことはどちらでも構いませんが、個人的には「書いた方が少し有利」と考えます。
「B型作業所は就労にあたらない」という方もいますが、そうするとB型作業所に通所していた期間は「無職」となってしまいます。
そこを面接官に聞かれると「ニート状態だったのか」と判断されかねません。
ただし企業も「職歴」として扱うことはあまりないので注意してください。
B型作業所に通所するメリット
B型作業所について紹介しました。
A型作業所に比べるとかなり不利な点も多いですが、それでもB型作業所に通所するメリットはあります。
次で紹介します。
自分の体調に合わせて通所できる
A型作業所は「将来的に一般就労や障害者雇用を目指す場」と扱われます。
雇用主と雇用契約を結んでいるので県の最低賃金の給料はいただけますし、有給休暇も取得できます。
しかしA型作業所はあくまでも「一般就労はまだ無理だけれど、働くことに支障はない」という人たちが集まっています。
そのためあまりにも欠勤や早退が多いと、最悪の場合解雇されることもあります。
その点B型作業所は解雇ということはなく、自分のできる範囲で通所することができます。
中には30分作業をして30分おしゃべりをして帰るという人もいるくらいです。
たとえいただける工賃が安くとも、働くにはまだ早すぎる段階の場合B型作業所の方がいいでしょう。
相談しやすい環境
これはA型作業所もそうですが、B型作業所もサービス管理責任者、指導員、支援員が在中しているので、職場の悩みや体調面のアドバイスを受けられることができます。
相談内容は日常について、業務について、病気についてなどなんでも相談できます。
作業所で困っていることがあれば、できるだけ本人が快適に通所できるよう、環境を整えてくれるのがサービス管理責任者らの仕事です。
まとめ
B型作業所の給料について、働く際の注意点、B型作業所で働くメリットを紹介しました。
B型作業所で働くデメリットはやはり工賃ですが、まだA型作業所も厳しい、という段階の人には良い場になるでしょう。
特に通所日は決められていない所もありますが、「できるだけ毎日通所できるよう頑張りましょう」という作業所もあります。
まずは毎日通うことを習慣づけて、次に作業を頑張り、いずれ別の職場を見つけるのがB型作業所の目的です。
デメリットもありますが、メリットもあります。
「B型作業所が良いかな」と思う人は、まず行きたいB型作業所に連絡をして見学に行ってみましょう。
ハローワークの職員と同行してもらうこともできますので、参考にしてください。
以下の記事では、B型作業所で働くまでのステップについて解説しています。