「A型もB型も、国からお金が出るから経営しているんだよ」。
こんな噂を聞いたことはありませんか?
確かに作業所は国から支援金が出ています。ではB型作業所は障害者から搾取している?
今回はB型作業所が障害者から搾取しているのか、あやしいB型作業所を見つける方法を紹介します。
B型作業所が障害者から搾取しているって本当?
B型作業所はA型作業所に比べて障害が重い人が通所している場所です。
その人たちを利用して搾取しているという噂は本当なのか、調べてみました。
そもそもB型作業所の目的は?
B型作業所の目的は、「一般企業への就労が難しい障害者に就労機会を提供し、仕事を通じて知識の向上や能力の向上に必要な訓練をする福祉サービス」と言われます。
しかし実際の所、誰でもできる単純作業がほとんどのためスキルアップとはとても言えません。
せいぜいが「毎日通所することが訓練の一環。生活習慣や体調を整え、ちょっとだけ作業する場」といった場所のようです。
実際にB型作業所に見学に行った際、通所者はわずか4名(15~16人は在籍していると言っていました)、ただおしゃべりをしているだけの人もいました。
B型作業所の収入源
では次、B型作業所の収入源はどこから得られるのでしょうか。
障害が重かったり、体調を崩しがちだったりするB型作業所の通所者に生産性を求めるのは無理な話です。
そこで得られるのが、お国からいただける「訓練等給付金」です。
利用者が多ければその分給付金も多くもらえます。
それを見越して安い工賃で利用者を入れている作業所もあるのが現実です。
利用者の通所日数を「水増し」する悪徳作業所も
前述のとおり、B型作業所には国から給付金が出ます。
しかしその金額は「その日に通所した人」に限ります。
10人利用者がいても、欠勤が5人いれば5人分の給付金しか出ないということです。
そこで考えるのが「水増し」です。
実際は利用していないのに通所していたことにする悪徳作業所。
そういった作業所は利用者への態度も悪く、明らかに見下したような態度を取り、決して利用者に優しい作業所ではありません。
お小遣い程度の工賃
B型作業所の賃金の安さも問題になっています。
B型作業所は雇用契約を結んでいないので、最低賃金以下の工賃しかでません。
ある人が計算したところ、時給220円だったとか。
子どものお小遣い程度ではないですか。
それでも通所している人は「社会と接点を持っていたい」「少しでも何かの役に立ちたい」という人ばかりです。
そういった人たちの気持ちを踏みにじり、自分たちの利益で運営しているB型作業所は未だ多いと考えられます。
あやしいB型作業所を見つける方法
B型作業所は障害者から搾取しているのか、紹介しました。
搾取しているかどうかは、利用者の考えによって違うのではっきりとは言えません。
では悪徳作業所を見極めるポイントはないのでしょうか。
あやしいB型作業所を見つける方法を紹介します。
見学で作業所の雰囲気を見る
「このB型作業所に通所したい」と思ってもすぐに面接に行ってはいけません。
大体の作業所は「まずは見学しませんか?」と言ってくれると思うので、必ず見学に行きましょう。
自分の観察眼に自信がない、という人は家族やハローワークの職員、支援員に相談して同行してもらうようにしましょう。
「何かおかしい」と感じる場合は、その作業所はやめておいた方が賢明です。
数日間「体験」してみる
作業所の中には「体験」を実施している作業所もあります。
日数は3日~1週間程度で、他の利用者と同様に作業をします。
もちろん体験期間中に体調が悪くなればお休みしても構いませんし、マイペースで作業しても大丈夫です。
作業の合間に、利用者の顔は暗くないか、作業所の雰囲気はギスギスしたものではないか、自分がこの中に溶け込めそうかを確かめる期間にしてください。
支援員、サービス管理責任者の人柄を見る
サービス管理責任者や指導員は、利用者の体調や状況、悩みごとの解決に向けてサポートしてくれる存在です。
その方たちは話しやすそうですか?
他の利用者にキツイ言い方をしていたり、無理な量の仕事を振ったりしていませんか?
何か困りごとがあればまず相談するのはサービス管理責任者や支援員らです。
その人たちと信頼関係が結べないのであれば、通所自体が苦痛になってしまいます。
自分のことをしっかりと見て、適切なアドバイスをしてくれる方たちか、チェックしておきましょう。
まとめ
B型作業所は障害者から搾取しているのか、またあやしいB型作業所を見つける方法について紹介しました。
世の中には純粋に善意でもって運営している作業所もありますが、己の懐を温めることばかりに邁進している悪徳作業所もあります。
もしも利用を始めて、「この事業所、なにかおかしい」と感じたらすぐにハローワークに相談してください。