ようやくB型作業所での就労が決まった! と喜んだのもつかの間、よくよく見てみれば一日の工賃よりも交通費の方が高かった! というのはよく聞く話です。
B型作業所では交通費の負担はしてくれないのでしょうか?
B型作業所の交通費について紹介します。
B型作業所で交通費は負担してくれる?
A型作業所では交通費の負担はよくありますが、B型作業所ではどうなのでしょう。
紹介していきます。
基本的に交通費の負担はなし
A型作業所では、「交通費」として月に決められた交通費の支給が受けられます。
私は車通勤でしたから、ガソリン代として月に2000円ほどの支給を受けていました。
しかし残念ながらB型作業所では基本的に交通費の負担はありません。
そのため遠くの作業所に通所することになると、交通費が工賃よりも上回ってしまうこともよくあります。
徒歩圏内、自転車等で通える範囲のB型作業所を選ぶか、無料の送迎サービスを実施しているB型作業所もありますので、交通費についてはきちんと考えた上で作業所を選びましょう。
一定の条件によっては負担あり
上記で交通費の支給はないと書きましたが、例外もあります。
たとえば大阪市では、
- 大阪市内に居住していること
- A型作業所、B型作業所などを利用していること
- 障害者総合支援法施行令第17条に規定されている低所得1、2および所得割16万未満の者
- 公共交通機関を利用しなければ通所することが困難な場合(定期乗車券購入者に限る)
など、条件を満たせば交通費を受けられる可能性があります。
大阪の場合は介助する介護人にも支給対象者となるので、かなり負担が楽になりますね。
また生活保護受給者には「勤労控除」として交通費が考慮される場合があります。
交通費の上限は?
交通費の上限ですが、これも地域によって違いがありますので、B型作業所か市役所の障害福祉課などに相談するようにしましょう。
ちなみに上記の大阪市の場合は1ヵ月5000円を限度額、その利用区間の乗車券の半額を負担してくれるそうです。
ただし、作業所に通っている人が体調不良などで1ヵ月丸々通所できなかった場合は、交通費は支給できません。
また交通費についてはB型作業所の所長を経由して市長に支給の申請をしなくてはいけません。
交通費の支給はややこしいことが多いうえ、地域によって違いがあるので、まずはB型作業所の施設長に相談して、交通費の負担してもらえないか質問してみましょう。
交通費負担を受ける際の注意点
B型作業所でも一定の条件を満たせば交通費の負担が受けられることが分かりました。
次は、交通費の負担を受ける際の注意点について紹介します。
事前の相談
前述したように、B型作業所の施設長への相談は絶対に必要です。
必要書類もあるので、自分で勝手に申請作業を進めないようにしましょう。
また地域によっては交通費の負担を受けられない場合もありますので、確認のためにもB型作業所への相談は必須です。
支援制度の確認
自分の居住地の障害者支援制度について調べておきましょう。
B型作業所では基本的に交通費の負担はしていない場合が多いですが、自治体によっては交通費負担の助成、割引制度などが存在する場合もあります。
書類の提出
交通費の支援を受ける場合、必要な書類や証明書が必要になります。
助成申請書、割引適用に必要な書類を用意して手続きをしてください。
定期的な更新
交通費の助成は一度提出すれば終わり、ということはありません。
おそらく1年に1回、または2年に1回程度の更新が必要となりますので、期限を忘れないようにして再度更新手続きを行うようにしましょう。
支援サービスの利用
交通費だけではなく、作業所利用者は別途で利用できる支援サービスや手当があります。
たとえば障害者2級、1級の方はタクシー券が発行されます。
障害者手帳を持つことに抵抗がある人も多いですが、生活保護を受給しつつB型作業所に通所している人も多くいます。
これらの制度は私たちが最低限の生活を送るため作られた制度です。
上手に利用して、B型作業所の通所に役立ててください。
まとめ
B型作業所で交通費は負担してくれるのか、またその場合の注意点についても紹介しました。
基本的にB型作業所では交通費の負担がありませんが、送迎バスを出したり、自治体によっては少額でも交通費の支給をしたりしている場所もあります。
障害はひとりひとり違っていて、「私は自転車で大丈夫」という人もいれば「バスか電車じゃないと無理」という人もいます。
住んでいる場所によっても事情は変わってきますよね。
できれば自宅から通所できるB型作業所を探すのが一番ですが、「ここで働きたい」という場所があったら、交通費の支給に関して詳しく調べてから、通所するか否かを決定するようにしてください。