少子高齢化の日本、昔は60歳が定年でしたが今では65歳までになり、私たちが高齢者になる頃には「死ぬまで働け」と言われる状況になっています。
B型作業所に通所している方も「自分はいつまでここで働けるのか?」と不安を感じている方もいるでしょう。
今回は、B型作業所に年齢制限はあるのか、年齢制限なしで通所するメリットとデメリットを紹介します。
B型作業所に年齢制限はあるのか?
通常の会社ですと基本的に60歳、本人が希望すれば65歳まで働けます。
ではB型作業所はどうなのか、紹介していきます。
B型作業所は18歳以上から利用可
B型作業所は18歳から利用できます。
利用条件として、身体障害、知的や精神、発達障害などの難病を抱えていて、一般就労が難しい方。
また就労活動や就労支援施設に通所したけれど就労に結びつかなかった方が利用できます。
B型作業所に通所するには、市役所や病院などで資料が必要になりますので、利用したい場合は市役所の障害福祉課に相談してください。
定年は特になし
本題の年齢制限ですが、B型作業所の定年は定められていません。
そのため自分が希望するまで、体が動けるまでなど、自分が通所したいと思っている内はいつまでも通所することは可能です。
ちなみにA型作業所では18歳から64歳までが利用対象となります。
B型作業所通所者の平均年齢
はじめてB型作業所を利用する人は、通所することに強い不安を抱いているでしょう。
しかしB型作業所は様々な障害を抱えた方が利用していて、年齢層も幅広く利用しています。
厚生労働省が令和元年、B型作業所の利用者1200人を対象に行ったアンケートでは、40代がおよそ50%の割合で利用していました。
次に30代、50代といったところです。
20代、60代は5%以下と、少ない割合でした。
B型作業所に年齢制限なしで通所できるメリット
B型作業所には年齢制限なしで通所できることが分かってホッとした方も多いのではないでしょうか。
では次に、年齢制限なしで通所できるメリットを紹介します。
期限がないのでプレッシャーがない
「あと〇年で利用できなくなる、どうしよう……」といったプレッシャーがかからないのは、期限がないことのメリットです。
B型作業所はお金を稼ぐというよりも、健康的な生活を送り、その合間に少しだけ作業をする、というスタンスの作業所がほとんどです。
そのため作業所を辞めると昼夜逆転になったり引きこもりになったりする人も多いのだとか。
「今日は作業所に行く日」と決めることで、生活習慣も自然に整うメリットがあります。
スキルアップを強要されない
一般企業でしたら、就活の際に「○○のスキル必須」入社したら仕事へのスキルアップを要求する企業があります。
しかしB型作業所はそういったスキルアップを強要することはありません。
厳しい意見を言えば、B型作業所でのほとんどの作業はスキルアップにつながらないので、履歴書に書くことも難しいのが実情です。
もしも将来的には一般就労を目指しているのであれば、A型作業所や障害者雇用に移ることを念頭に置いておきましょう。
「自分はずっとB型作業所で良い」という人は、今まで通り、自分の体調を見ながら作業を進めてください。
B型作業所に年齢制限なしで通所するデメリット
年齢制限なしで通所できるメリットを紹介しましたが、もちろんデメリットもあります。
どういったことがデメリットになるのか、紹介します。
年齢層が広いのでコミュニケーションが取りづらい
前述したように、年齢層が幅広いのでコミュニケーションを取りづらいデメリットがあります。
特に紹介した、20代や60代の方は利用者が少ないことからコミュニケーションが取れず、孤立しやすい傾向があります。
もしコミュニケーション面で悩みがあったら、サビ管や支援員に相談するようにしてください。
同じ作業を何年も続けるのがつらい
B型作業所の仕事内容は基本的に変わりません。
商品の梱包作業が仕事なら、ずっとその仕事に携わることになります。
それが苦にならないのであれば問題ありませんが、「ずっとこの作業だけするの?」と思う方もいるでしょう。
B型作業所ではあまり新規の仕事というものがないので、ひとつの作業を皆で延々とし続けることになります。
ルーティンワークが得意という方は別ですが、「他の作業もしたい」という方にとって、B型作業所の作業はつらいものかもしれません。
特に簡単な作業は時間がゆっくり感じられるので、仕事が合わないと苦行の時間になってしまいます。
B型作業所に通所する前に、どのような業務をしているのか見学し、できるなら数日体験させてもらって、自分ができるかどうかを確かめるようにしましょう。
まとめ
B型作業所に年齢制限はあるのか、また年齢制限なしで通所するメリット・デメリットを紹介しました。
B型作業所に年齢制限はありませんが、単調な作業がほとんど、スキルアップもできないという状況に耐えられない人もいるでしょう。
自分は何ができるか、何の作業なら得意かを考え、作業所を選ぶようにして下さい。
以下の記事では、B型作業所で働くまでのステップについて解説しています。