B型作業所って、掛け持ちすることはできる?

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A型作業所、B型作業所、就労移行支援は国の福祉サービスですので色々と細かい規定があり、「これはどうなのだろう?」と疑問に思うことも多いでしょう。

その中でよく聞かれるのが「B型作業所に通所しながらアルバイトの掛け持ちはできる?」ということ。

実際にB型作業所で掛け持ちはできるのか、また掛け持ちをしたい理由などを紹介します。

B型作業所で掛け持ちはできる?

B型作業所は障害が重い方が通所しているのですが、その中で「掛け持ちをしたい」という方もいます。

実際のところを紹介します。

原則としてNG

はじめにお伝えしておきますが、B型作業所に通所しながら掛け持ちすることは原則としてNGです。

A型作業所が一般就労などを目指すことを目標に掲げているのに対し、B型作業所は生産活動の機会を提供するとともに、自立した日常生活を送るように支援をしています。

そのため掛け持ちができるほど症状が良くなっているのならば、B型作業所にいる必要はなくなります。

自治体、作業所によっては推奨している所もある

上記で「原則」とお伝えしました。

実は掛け持ちは自治体や作業所によって考え方が違うので、掛け持ちをOKとしているところもあるのです。

私はA型作業所に通所していましたが、掛け持ちはOK、むしろどんどんやって経験を積んでください、と言われました。

そのため掛け持ちを希望する方はまずB型作業所の支援員に相談して、掛け持ちができるかどうかを訊ねてからにしましょう。

隠れて掛け持ちすることは絶対にしないでください。

アルバイトができる時間

B型作業所に通所しながら掛け持ちすることは予想以上に大変なことです。

基本はB型作業所に通所、その合間に掛け持ちをするので、B型作業所を休みがちになることのないようにしましょう。

なお、掛け持ちができる時間については、雇用保険の兼ね合いから週20時間未満と決まっています。

「出戻り」も多いので要注意

「掛け持ちでも大丈夫!」と信じてB型作業所を退所した方が「やっぱり無理でした……」と「出戻り」するパターンは非常に多くあります。

自分の体調、症状を過信することなく、「本当に掛け持ちしても体調を崩さず通所とバイトができるのか」を自問しましょう。

主治医に相談する

掛け持ちしたい場合は必ず主治医に相談してください。

主治医はあなたの障害や症状を把握しているので「掛け持ちはダメ」と判断する可能性もあります。

その場合は医師の指示に従うようにしましょう。

どうしても掛け持ちしたい理由があるのかもしれませんが、身体を壊してしまっては元の木阿弥。

主治医の許可が下りたら支援員に相談してください。

B型作業所に通所しながら掛け持ちしたい理由は?

B型作業所に通所しながら掛け持ちすることはできるか、紹介しました。

原則としてNGですが、場合によってはOKということが分かりました。

では次は、通所しながら掛け持ちをしたい理由を訊いてみました。

金銭面での問題

やはり一番の問題は金銭面でしょう。

B型作業所の一か月の工賃は15.000円ほどです。生活は家族の支援や障害年金、生活保護などで賄わなければ生きていけません。

障害者の中には「障害年金や生活保護を受けている自分が恥ずかしい」と思っている方もいるそうです。

好んで障害者になった訳ではないのでまったくそんなことを思わなくとも良いのですが、自責の念や恥の概念から「早く障害年金(生活保護)をやめないと」と思い、掛け持ちをしたいと考えている方もいます。

そういった方は無理をしがちなので、医師も「まだ掛け持ちはいけません」とストップをかけるはずです。

障害による補助を受けることは恥ずかしいことではありません。

生きていくうえで必要な制度はどんどん使っていきましょう。

ヒマつぶし

B型作業所の休日、主に土日に「することがない」と掛け持ちを希望する方もいます。

私の場合はちょっと無理をしていたきらいがあったので、土日はぐったりしていることが多かったです。

土日にも何かしたい、という希望を持てるくらい回復してきたということでしょう。

この際も主治医や支援員に相談してから掛け持ちをするようにしましょう。

もしかしたらB型作業所の通所時間を長くしてもらえる場合もあります。

ステップアップへの準備

最近は症状が治まってきた、B型作業所の仕事では物足りなさを感じてきた。

そう考え始めたら、「次のステップアップの準備」として掛け持ちを許可される可能性が高くなります。

A型作業所や障害者雇用など、ステップアップの準備期間として掛け持ちをしてみて、体調に変動がなければB型作業所を卒業して次の仕事を探してみましょう。

やってみたい仕事があった

B型作業所の仕事は誰でもできる単調な作業のため、飽きやすいというデメリットがあります。

体調が良くなり「何か他の仕事をしたいな」と考え始めたのであれば、B型作業所を退所する時期に来ているのかもしれません。

また求人検索をしてみて「この仕事をやってみたい」と思った場合も、サビ管や支援員、主治医に相談して掛け持ちできるか打診してみましょう。

「まだ無理です」と言われる可能性もありますが、落ち込まずに症状の安定、寛解に向けて健康的な生活を心がけるようにしましょう。

まとめ

B型作業所に通所しながら掛け持ちはできるのか、また掛け持ちしたい理由について紹介しました。

掛け持ちは自治体や作業所によって考え方が異なるので、掛け持ちしたい、と思ったらまず作業所に相談することを忘れないようにしてください。

また掛け持ちするからには、B型作業所を休むことはあまりできないということも覚悟してから掛け持ち仕事をしてください。