A型作業所はB型と違い、雇用契約を結んでいるので最低賃金でもお給料がいただけます。
今回は、A型作業所に通所する人の業務時間、それに伴って貰える給料、A型作業所に通所する場合、一人暮らしは可能か、紹介します。
A型作業所の給料に関わる業務時間について
A型作業所と言っても、業務内容はもちろん、業務時間も様々あります。
私の経験も交えて、業務時間について紹介します。
- 1日4~6時間が平均
A型作業所の業務時間は一般職と比べてかなり短く、平均して4~6時間が一般的です。
残業もほとんどありません。
一週間の業務日数は、6日間働ける人もいれば、週に2日、3日で4時間という人もいます。
これはA型作業所に通所するにあたり、A型作業所やサービス管理責任者、支援事業所を交えて話し合い、契約を交わしますので、人によって大きな差があります。
- フルタイム勤務はごく稀
「割と元気な方だから、給料のためにも8時間勤務できないかな?」と考える人もいるでしょう。しかし、ほとんどのA型作業所ではフルタイム勤務はないと思っておきましょう。
以前通所していたA型作業所で、障碍者雇用から一般雇用になり、フルタイム勤務をしていた人がいましたが、やはり体調を崩して障碍者雇用に戻り、5時間勤務になっていました。
「それなら6時間は?」と思う方もいるでしょうが、週の労働時間が30時間を超えると、社会保険に入らなければなりません。そうすると、保険料や厚生年金など、差し引きが大きく、5時間勤務の人よりも給料が少ない、ということもあります。
フルタイムで働ける、働きたいという方はA型ではなく、一般職で障害をオープンにするか(もちろんクローズでも可能です)、障碍者雇用を目指すことをお勧めします。
- 体調不良で欠勤・早退により変わる
A型作業所に通所しているということは、心身どちらかに障碍があるということですよね。
健常者のように無理はできません。
私がいたA型事業所は特に精神の障碍を持つ方が多かったので、季節の変わり目や気圧に弱く、「梅雨の時期はダメ(私もです)」という方も大勢いました。
体調不良で欠勤・早退した場合は時給制のA型事業所の場合、給料も下がります。
だからといって、無理をして通所しても仕事にはならないでしょう。
ここは「しっかりと体調を整える」ことを意識して、給料よりも身体を大切にしてください。
A型作業所の給料は?
A型事業所という言葉を初めて知った人にとって、一番知りたいのは「給料」ではないでしょうか。
通所する場所が都会か田舎かによって条件は変わりますが、あまり好条件、という場は少ないものです。
ここではA形作業所の給料についてお話していきます。
- 県の最低賃金がほとんど
A型作業所の場合、県の最低賃金がほとんどです。
私のいたA型事業所は、地方と言うこともあり、821円でした(改正前はもっと低かったかもしれません)。
労働時間は5.5時間、20日間出勤できたとして9万円。
そのうち5,000円は駐車料金に消えていきました。
しかし私も障碍を持っているので、一か月欠勤・早退なしで出勤できたのはごく稀のことで、平均して7~8万円いただくということがほとんどでした。
- 昇給・ボーナスはほとんどない
昇給・ボーナスは無いと思っておきましょう。
私は1件しかA型事業所に通所したことがありませんが、他の求人を見ても昇給・ボーナスは無しといったところばかりでした。
基本的にA型作業所の雇用形態は「パート・アルバイト」なので、賞与に関しては期待できません。
障碍者で入社し、サービス管理責任者の資格を取った人でも、資格手当が数千円頂けただと聞きました。
- 【体験談】A型作業所でのもらった特別給料
私のいたA型作業所は、業務は難しいけれど社員の福利厚生に力を入れている作業所で、クリスマスにケーキを、年度末には金一封とお菓子、桜の季節は業務時間(=お金を頂きながら)にお弁当(会社負担)とノンアルコールビールを持って花見をするということがたくさんありました。
経営は厳しいと会長はよくこぼしていましたが、この点については通所している側は非常に嬉しい経験でした。
A型作業所の給料で一人暮らしは可能?
「できればお給料をいただいて一人暮らしをしたい」と考えていますか?
A型作業所は一般職と比べて賃金が低いので、一人暮らしを実行できるか、迷っているかもしれません。
A型作業所のお給料で一人暮らしは可能か、紹介します。
- 勤務時間によるが、難しい
結論から言いますが、A型作業所だけの給料で一人暮らしは非常に難しいと言えます。
上記でも紹介したように、欠勤・早退がなくても8~9万円。
障害年金を受給したとしても、地域によっては家賃が高く(その分時間給は高いでしょうが)、一人暮らしはほぼできません。
- 障碍年金と地域によっては可能
私のいる場所は超がつく田舎で、築40年の一軒家(2DK)で家賃4,2800円でした。
その頃は夫がいたので生活できたのですが、一人暮らしになると給料の半分は家賃です。
切り詰めてもギリギリの生活で、貯金などはまったくできないでしょう。
障害年金を受給していて、厚生年金1、2級なら、少しは考慮できるかもしれません。
しかし、喜ばしいことではありますが、症状が寛解したことで等級が下がったり、障害年金が打ち切られたりする可能性もあります。
大家さんによっては障碍者で一人暮らしとなると「家賃を滞納するのではないか」と難色を示すこともあります。
まずは不動産会社に問い合わせてみましょう。
- 体調不良になった場合、生活できるか考慮する
障碍者も健常者も同じですが、人はいつ病気になるか、ケガをするか分かりません。その際に「貯金がまったくない」では生活が破綻してしまいます。
一般的に「給料の3~6ヵ月分を貯金しておくと、もしものときでも安心」と言われています。
A型作業所通所当時の私の場合で考えると、24~42万円というところでしょうか。
それでも少し不安な金額ですね。
「どうしても一人暮らしがしたい!」と考えている場合は、A型作業所のサービス管理責任者や相談支援事業所の方たちに相談することも考慮しておきましょう。
まとめ:A型作業所通所者の給料について
A型作業所に通所する障碍者のお給料について、自分の経験を交えて紹介しました。
お給料は自分の頑張りを数字で認めてもらえるものです。
たとえ少なくとも、将来のために、今のうちにスキルアップを目指して勉強をしたり、積極的に業務に取り組んだりと、実直に努力をするようにしましょう。
また私の周囲のA型作業所に通所している方も、一人暮らしをしている人はごくわずかな人だけで、私を含めほとんどが実家暮らし、結婚して家族と暮らしているという人ばかりでした。
将来的に自活を目指す方は、A型作業所から障害者雇用、一般雇用にステップアップしてから考えてみましょう。
以下の記事では、A型作業所で働くまでのステップについて解説しています。