B型作業所の工賃は平均2万円前後。
お小遣い程度しか稼げません。
これはB型作業所が雇用契約を結んでいないので、最低賃金以下でも構わないという理由からですが、たったこれだけの金額ではとても生活することなどできませんよね。
今回は、B型作業所に通所しながら生活保護が受けられるのか、紹介します。
B型作業所通所中、生活保護は受けられる?
B型作業所に通所しているけれど、工賃だけでは生活できない。生活保護は受けられる? 調べてみました。
B型作業所通所中も生活保護を受けられる
B型作業所通所中でも、生活保護を受けられます。
A型作業所の場合は通所してから申請しても通りにくいことが多いですが、B型作業所になると新たに生活保護を受け始め、受け続けやすいというメリットがあります。
B型作業所に通所していたら障害年金はどうなる?
B型作業所に通所している人の中には障害年金を受給している人も多いでしょう。
「障害年金と生活保護の併用はできる?」と思っているかもしれません。
結論から言うと、併給は可能です。
しかしどちらも満額支給はなく、金額を調整されて支給されることになります。
また障害年金1、2級の人は生活保護に障害者加算が付きます。
居住区や障害等級によって異なりますが、およそ15000~25000円の範囲で生活保護に加算がされます。
ただしこれは自分で手続きをしなければならない制度なので、市役所の福祉課で手続きをするようにしましょう。
B型作業所通所中の生活保護申請について
B型作業所に通所していても生活保護をもらえることを紹介しました。
「じゃあ早速手続きをしよう」と思っている方には、少し待ってください。
生活保護を受けるにはメリットとデメリットがあることをよく理解してから申請するようにしましょう。
生活保護を受けるメリット
- 最低限の生活保護費を受けられる
生活保護は、最低限の生活を保障するものとして受給できます。
受け取れる金額は、年齢や世帯などによって違いがありますが、その地域で最低限の生活ができるだけの収入が得られます。
- 支払い免除・無効になるもの
生活保護が受給決定になれば、国民年金保険料の支払い免除、住民税、固定資産税などの税金、公的保険料、医療費、保育費、NHK受診料などの支払いが免除や無効になります。
生活保護を受けるデメリット
- 受給までの調査が厳しい
匿名掲示板では「親が死んだらナマポ(生活保護)で生活する」などの、嘘か本当か分からない書き込みがありますが、実際に生活保護費を受給するのはそう簡単ではありません。
生活保護を申請すると、ケースワーカーが銀行口座などをチェックします。
本当に生活に困っているのか確認するためです。車、土地の所有、預金口座、保険等資産状況についてもかなり厳しいチェックがされます。
また親や祖父母、兄弟などの二頭身以内の親族に、援助ができないかを問う書類が送られます。
「生活保護を受け取っているのがバレたくない」という人には、この点はかなりハードルが高い問題です。
- 持ち家・車などの売却
国にお金をいただくほど生活が困窮しているのであれば、持ち家や車などは基本的に売却しなければなりません。
ただし車がないと通勤ができないような地域に住んでいる人はその限りではありません。
またパソコンは生活必需品として認められています。
- 高価なものは所有できない
指輪やネックレスなどの宝飾品は保有できません。
高級腕時計なども売却を求められます。
- 貯金・投資は禁止
生活保護受給中は貯金額に上限が設けられています。
貯金や投資ができるほど資産があると判断されれば、受給はストップされるか、生活保護費の返還、減額を求められることもあります。
また借金やローンも禁止です。
- ケースワーカーとの面談
年に数回ケースワーカーが訪れ、その際の生活保護費の使用用途、収入など細かく調査されます。
ある意味仕方ない点かもしれませんが、前述の家族に連絡が行く点を考えても「プライバシーの侵害」と感じる人も多いようです。
- A型作業所に行くと生活保護が打ち切られる可能性も
B型作業所は工賃が安いことが問題視されています。
そのため生活保護の申請も通りやすいというメリットがあります。
しかし、B型作業所を卒業してA型作業所に通所するようになった場合、生活保護が打ち切られる可能性もあります。
「A型作業所にきちんと通っている人は、安定した収入を得ている」とみなされるため、生活保護は必要ないとされるからです。
とはいえA型作業所の収入も7~8万円程度。
とても生活はできません。
すべてのケースで打ち切られることはありませんが、A型作業所に通所したい、と考えている人は、この点をよく考えたうえで就活するようにしましょう。
まとめ
B型作業所に通所しながら生活保護は受給できるのか、生活保護のメリット・デメリットについても紹介しました。
B型作業所の工賃はほんのお小遣い程度なので、生活保護や障害年金が生活の基盤になっている人がほとんどです。
「生活保護を受けていることを周囲に知られたくない」と思う人も多いですが、実際問題、生活ができなければ生きていられません。
生活保護については、市役所の障害福祉課やB型作業所のサービス管理責任者に相談してからでも良いでしょう。
メリット・デメリットをよく考えたうえで生活保護を申請するかどうか検討してください。