A型作業所って、手帳なしでも通所できるのか?

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自分にできそうなA型作業所を見つけた。

けれど、自分は障害者手帳を持っていない……そういうとき、A型作業所はどのような判断をするのでしょう。

今回はA型作業所に通所する際、障害者手帳なしでも通所できるのか紹介していきます。

A型作業所に通所したい……手帳なしで通所はできるの?

人によって事情はあるでしょうから、障害者手帳を持っていない、という人もいるでしょう。

個人的には、障害者手帳を持っている分メリットが大きいと思うのですが……。

具体的に見ていきましょう。

障害者手帳なしでも通所することは可能

障害者手帳を持っていなくとも、A型作業所に通所することは可能です。

ただし、これは通所したいA型作業所、地域によって違いますので、在住している自治体などに相談してから、通所したいA型作業所に応募するようにしましょう。

障害者手帳がない場合に提出が必要なもの

「障害者手帳なしで通所したい」という場合、必要なものがあります。

以下に紹介していきます。

  • 医師の診断書

障害者手帳がなくともA型作業所に通所することは可能ですが、医師が「この人はこういった障害を持っています」という診断書が必要となります。病院によって違いますが、診断書料も3000~8000円と、それなりの出費となります。

  • 通院証明書

「この病院に定期的に通院しています」という通院証明書も必要になります。料金は1000~3000円ほど。診断書よりは安いですが、仕事を始める前にお金が出ていくのはちょっとキツイですね。

  • 受給者証は絶対に必要

これは障害者手帳の有無に限らず必要なものですが、受給者証の発行は必ず必要です。A型作業所に通所する場合は、「障害者福祉サービス受給者証」と言われます。A型作業所に通所する場合はもちろん、障害者自立支援法に基づくサービスを受けるために絶対必要な証明書です。

受給者証がなければA型作業所に通所することはできません。また、申請から発効まで時間がかかる場合もありますので、受給者証を持っておらず、通所したいA型作業所を見つけたらすぐに市役所で申請することをお勧めします。

障害者手帳を持たずにA型作業所に入所する注意点

障害者手帳を持たずにA型作業所に通所することが可能ということはお伝えしました。

では次に、どのような点に注意すればいいのでしょうか。

利用条件の確認

A型作業所によっては、「障害者手帳を所持していないと通所できない」と規則を設けている場合があります。

その場合、手帳を持っていなければ当然通所することが出来ません。

障害者手帳も申請から発効まで時間がかかることが多いので、障害者手帳必須のA型作業所に通所したいのであれば、早めの申請をするようにしましょう。

福祉事務所、障害者支援団体のサポートを受ける

これからA型作業所を探す、という場合は、福祉事務所や地域の障害福祉課など、障害者をサポートしてくれるところに相談するようにしましょう。

個人によってできることやできないこと、してもらいたいサービスなどがあるでしょう。できるだけ詳しく自分の状況を説明し、自分に合った支援をしてもらえるようにしましょう。

障害者手帳は必要?メリット

「障害者手帳って必要なのかな?」と思う方もいるかもしれません。

「自分が『障害者』というくくりになるのが嫌」という理由で、あえて障害者手帳を持たないという人もいます。

個人の自由なのでその点はどちらでも構いませんが、では障害者手帳を持っている場合のメリットとはどんなものなのか、紹介していきます。

社会的な支援が受けられる

障害者手帳を持っていることで、社会的な支援やサービスを受けることができます。

たとえば福祉施設の利用、リハビリのサービス、等級によっては通院のためのタクシー券なども発行されます。

公共料金や博物館などの優遇措置

身体障害者が高速道路に乗る場合、通行料は半額になります。

(障害者本人が運転していなくとも、同乗していれば半額)また映画や美術館などの公共施設は障害者手帳を見せることで「障害者割」の適応対象となることもあります。

その際介助者、同行者も同じ待遇で使用することができます。

法的な保護が受けられる

ようやく最近になって「障害者の社会進出」が言われるようになりました。

まだまだ実現にはほど遠い現状かもしれませんが、障害者手帳を所持することで法的な保護を受けることができます。

教育などのサポート

たとえば子どもであれば、特別支援教育を受けられる、大人であっても支援機関が利用できるなど、教育面でのサポートも受けられます。

就労支援施設などに通所し、必要なスキルを得てからA型作業所に入所する方も多くいます。

障害年金手帳は必要ない? 障害者手帳のデメリット

個人的には、障害者手帳を所持することでデメリットを感じたことはないのですが、考えられるデメリットについて紹介します。

プライバシーが見られる可能性

例えば映画館や美術館などを利用するとき、障害者割で入館する際に、手帳の提示を求められます。

人によっては、これが「私は障害者なんです」と知らせているような気がして、いたたまれないと感じるかもしれません。

最近は障害者手帳も手帳式とカード式を選択できるようになりました。

「いかにも」な緑や青の手帳を提示するよりも、カードなら周囲に分かりにくいのではないでしょうか。

偏見・差別

どこでも偏見や差別を持つ人はいます。

特に障害者割を使用しているのを見ると、あからさまに悪口を言う人もいて、気分が悪くなりますよね。

私たちは好きで障害者になったのではありません。また国からの支援を使うことに遠慮する必要もありません。

偏見や差別の発言は無視して、できる限り自分の楽しいことに時間を使いましょう。

心理的な負担

これは私も感じたことなのですが、自分で申請したにも関わらず、障害者手帳を受け取ったとき「ああ、やっぱり自分は障害者なんだ」と落ち込んだことがあります。

上記でも述べましたが、私も好きで障害を抱えこんだ訳ではありません。さらに言うなら、いま健康な方でも、いつ障害を持つかどうかは分からないのです。

心理的な負担は時間が経つにつれ考えることはなくなりましたが、やはり同じことを考える人は多いのでしょうね。

まとめ

A型作業所に通所する際、障害者手帳なしで通所することができるのか、その際の注意点や障害者手帳のメリット・デメリットを紹介しました。

基本的に障害者手帳を持たなくてもA型作業所に通所することは可能ですが、毎年医師に診断書や通院証明書などの書類を提出することになるので、かなり面倒ではないでしょうか。

障害者手帳に抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、一度じっくり考えてみて、「持っていても損はしないのでは」と考えるのであれば、申請をしてみるのもいいですね。

A型作業所で楽しく働きましょう。