「障害者いじめ」は子どもでもしている行為です。
知的障害のある子どもをからかったり嘲笑ったり、身体障害を持っている子どもにけがを負わせるような事態に持ち込んだり。
子どもですら障害者いじめをするのです。大人はもっと悪質で陰険ないじめをします。
今回は障害者雇用のいじめは本当にあるのか、またその場合の対処法について紹介します。
障害者雇用のいじめ……本当にある?
私は障害者雇用で働いていますが、完全在宅のためいじめということは起こりにくい状況です。
しかし通勤して毎日顔を合わせるとなると、どうでしょう。
いじめはどの企業でもあります
前述でも既に書いていますが、ハッキリ言ってどの企業にも多かれ少なかれいじめは存在していると思います。
これは障害者だけでなく、健常者にもあたることで、本人が「いじめだ」と思ったのであれば加害者がどれだけ「そんなつもりではなかった」といっても「いじめ」になるのです。
中でも一般就労の社員たちに交じって障害者雇用で仕事をする場合、何となく薄い「壁」を感じることがあります。
「この人は健常者」「この人は障害者」というような。
すべての企業がそうだとは言い切れませんが、少しでも「怪しいな」と感じた場合、その勘は正しいと思って下さい。
暴力、暴言などの身体的・心理的虐待
具体的ないじめの内容を紹介します。
まず典型パターンとして、暴力や暴言。信じられないことですが、未だに暴力を与えたり、皆の前でわざと大声で叱責したりするような老害社員がいるのです。
昔は許容されていた行為かもしれませんが、今では即、労働組合が飛んでくるような話です。
また暴力を与えられた場合、傷害罪や脅迫罪にあたる可能性もあります。
傷が残るようなケガを負わせられた場合、病院に行ってその箇所を写真に撮ってもらい、証拠としておきましょう。
セクハラ、モラハラ
セクハラ、モラハラは定年間近の男性社員が行うことが多い、というのが、今までの経験で多かった印象です。
どのいじめでもそうですが、やった本人は罪の意識がない場合が多く、セクハラやモラハラはその典型とも言える行為です。
経済的虐待
「障害者だから」と言われて県の最低賃金より低い給料で働かされた障害者がいたそうです。
その方は対処をしたので是正勧告が出て、最低賃金での報酬を得られたそうですが、こういった行為があることが驚きです。
最低賃金以下で雇用する、賃金を支払わない、本人の許可なく財産や預貯金を没収、処分するなど信じられない行為が今でも行われています。
これは窃盗罪、詐欺罪、恐喝罪、横領罪に適用されます。
仕事を与えない、または出来ない仕事を与える
障害者雇用で就職した際、「出来ることと出来ないこと」を聞かれることが多いです。
しかしそれを無視して、わざと仕事を与えないで「社内ニート」に追いやったり、反対にさばききれない程の仕事を与えて障害者を困らせたりするようないじめもあります。
いじめの手段は子どもより多く、悪質なだけに対処に困っている障害者も多いようです。
またいじめによりやっと障害が寛解したというのに、再び悪化するケースもあります。
いじめられて会社に行きたくない……対処法は?
いじめられて困っている。会社にも行きたくないけれど、仕事を辞めたらお金がない。そんな方に対処法を紹介します。
上司に相談する
いじめられていることを上司に相談してみましょう。
いじめているのがその上司本人の場合は、その上の上司に。状況が改善される可能性があります。
ただし社内のトラブルは会社内で解決することは難しく、結局話を聞いて放置、というパターンもあります。
良心的な企業ですと、いじめた人と障害者が接触しないような配慮をする、いじめた人に是正勧告をするなど対処してくれる場合もあります。
市町村の障害者虐待対応窓口
いじめられていると感じたら、市町村、都道府県または労働局に相談しましょう。
届出を出すと、所轄の労務局、労働基準監督署、またはハローワークの職員が法令に基づき企業への訪問調査をします。
虐待が認められた場合、法令に沿って必要な指導がなされます。
先述しましたが、暴力を振るわれてけがをした場合や、暴言を言われた場合、それぞれ写真に収める、ボイスレコーダーで録音しておくなど事前に「証拠集め」をしておきましょう。
証拠があれば関係者も対処がしやすくなります。
弁護士に相談
「これ以上耐えられない。慰謝料を請求する」と言うまで追い詰められた場合、弁護士に相談することになります。
こちらも証拠集めをしておくと後々有利になります。もし何も証拠がない場合、「何月何日に、誰から、何をされたか」をメモするだけでも構いません。
多少の蓄えはある、泣き寝入りをしたくないのであれば、弁護士に相談してみましょう。
転職する
あまりにも傍若無人な人がいすぎる会社は、転職した方があなたの精神的安定のためにも良いかもしれません。
無理をして通勤してもいじめに遭い、ひとりで苦しむよりも新しい環境で働く方がよほど楽かもしれません。
まとめ
障害者雇用にいじめはあるのか、またいじめられた場合の対処法について紹介しました。
障害者だからいじめる、という酷いことをするのがいい齢の大人なのですから呆れかえるばかりです。
いじめられた本人がどれだけつらいのか、想像力に欠けているのでしょう。
そういった人たちは相手にせず、自分にできる対処法を探して、いじめのない会社で精いっぱい仕事をしてください。
障害者雇用で働くには、転職エージェントの利用がおすすめです。