A型作業所で一生暮らすことが不可能である理由

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「A型作業所の通所が決まった!」とお喜びの皆さん、まずは自分の努力と勇気に自信を持ってください。

しかし、A型作業所の給料は県の最低賃金のうえ、4~6時間勤務。決して高いものではありません。

ここでは、A型作業所の給料で一生暮らすことが不可能である理由、それでもひとり暮らしがしたい、という人に向けて、注意点などを紹介します。

A型作業所の給料はいくら?

A型作業所の給料は、実際に働いたことがない人には分からないですよね。ハッキリとお伝えします。

  • A型作業所の平均給与

A型作業の平均給与額は、全国平均で平均7万6887円です。

決して高い数字とは言えません。

A型作業所は大抵、県の最低賃金で仕事をしているうえ、昇給等は滅多にないので、それ以上の給料をもらいたいのであれば、障害者雇用や一般就労に移ることになります。

  • 厚生障害年金2級の支給額

厚生障害年金2級の場合、障害基礎年金(777.800円+子どもの加算)+法相比例の年金(在職中の平均月収)×1.25+配偶者加算年金が金額となります。

つまり、子どもがいて配偶者がいるとなると、かなり金額が高くなるということが分かりますね。

  • 厚生障害年金1級の支給額

厚生障害年金1級となると、障害基礎年金(972,250 円+子の加算) + 報酬比例の年金×1.25+配偶者加給年金がその金額となります。

2級の約1.25倍が、基礎年金として支給されます。

  • 障害基礎年金2級の場合

前述のとおり、障害基礎年金は、初診日に国民健康保険を納めていた場合に支給される年金です。

障害基礎年金2級は795,000円 + 子の加算額が支給金額となります(67歳以下の場合)。厚生障害年金と比べるとやや低いですね。

  • 障害基礎年金1級の場合

障害基礎年金1級になると、795,000円 + 子の加算額です(67歳以下の場合)子どもの加算はどの級でもそうですが、2人までで1人につき 228,700円、3人以降は 1人につき 76,200円になります。

A型作業所のお給料で一生暮らすことは不可能?

では実際に、A型作業所の給料で暮らすことは可能か不可能か、紹介します。

  • A型作業所での給料だけでは不可能

はじめにハッキリと言いますが、A型作業所の給料で生活することは不可能です。

いくら配偶者加算や子の加算があったとしても、A型作業所の給料はたかが知れています。

給料面での就業を考えるのであれば、障害者雇用の就職を検討しましょう。

  • 障害年金、加算によっては可能

上記でも紹介しましたが、配偶者加算、子の加算というものもあります。

A型作業所に在所していた際、お隣の席の女性は障害年金2級、配偶者加算と子ども2人の加算で、「A型作業所で働かなくてもいいのでは?」というくらいの金額をもらっていました。

逆に言うと、そういった加算がまったくない場合はA型作業所の給料で暮らすことは無理と思っておきましょう。

A型作業所の給料でひとり暮らしをする方法はないの?

障害があってもひとり暮らしをしたい! そう考える人もいるのではないでしょうか。

しかしA型作業所の給料で生活することは非常に難しいことです。

ひとり暮らしをしたい、という方は以下を参考にしてみてください。

  • 障害年金の等級が高い場合はできる可能性がある

たとえば厚生障害年金2級、厚生保険時の在職期間が長い場合、それなりの金額になるのでひとり暮らしをすることは可能かもしれません。

しかし個人的には、障害年金をあてにして生活するのは非常に危険だと思います。

何故なら、障害年金はいつ等級ダウン、切られるか分からないからです。

病気が良くなったことは喜ばしいことですが、それで生活ができなくなれば元も子もない話です。

また厚生障害年金1級、永久認定だとしても、1級は誰かの介助なしに生活することは困難です。

また必要な医療機器などの購入もありますので、ひとり暮らしをすることは難しいと言わざるを得ません。

  • 支援員に相談

どうしてもひとり暮らしをしたい、自立したい、という場合は支援員に相談してみましょう。

会社のサービス管理責任者でも構いません。

一緒にひとり暮らしができるかどうかを検討し、物件の内覧に同行してくれることもあるでしょう。

ひとり暮らしは自由だけれど、その分責任もひとりで背負わねばなりません。

特に障害を持っている人は、自分で決めてしまわずに誰かに相談してから決断しましょう。

  • 収入と支出に合った住居を探す

ひとり暮らしの夢は膨らむでしょうが、実際にA型作業所の給料、障害年金では豪華なマンション暮らし、ということはありません。

まず障害を持った方に大家さんが部屋を貸してくれるか、そこから始まるかもしれません。

車いすの方なら、玄関ドアが広いか、バリアフリーの住居かなど、問題は山積です。

自分の給料、障害年金の支給額を伝えて、生活できることを証明するようにしましょう。

  • 節約は必須

ひとり暮らしが初めての場合、嬉しくてつい自由気ままに過ごしてしまいがちです。

しかし何度も言いますが、A型作業所の給料と障害年金では綱渡り状態と言っても過言ではありません。

いつ体調が悪くなって、仕事を休養することになるか分からないからです。

そのため、普段から節約と貯金を心がけ、なにがしかあったときでも「しばらくは大丈夫」と言えるくらいのお金を貯めておくようにしましょう。

「3か月分の給料があれば何とか生きていける」と言われます。

が、A型作業所の給料に限りそれは当てはまりません。せめて1年分くらいの貯金があると、数か月休養してもなんとか生活ができるでしょう。

  • 突然の病気の場合に備えて緊急連絡先を知らせる

ひとり暮らしの場合、突然症状が重くなって動けない、という場合も考えられます。

緊急を要する場合に備えて、家族や信頼できる人に連絡先を伝えておくことを忘れないようにしましょう。

1日1回LINEをして、状況を報告するのもいいですね。

  • 自己管理の徹底

実家暮らしだと家族が健康管理をしていた人もいるでしょうが、ひとり暮らしになるとそれがなくなるのでつい油断してしまいます。

これは健常者も同じで、ひとり暮らしの自由快適さから、自炊せずにコンビニ弁当ばかり食べていたり、遅くまで起きてスマホゲームに熱中していたり、ということもあります。

障害があるからこそ、自己管理はより必要です。生活習慣は以前と変えずにきちんとした生活をして、周囲を安心させてあげてください。

最後に

A型作業所の給料で生活が不可能な理由、A型作業所の給料でひとり暮らしをしたい方に、できる限りの方法を紹介しました。

A型作業所の給料では、家族のサポートや援助なしでは生活することはまず不可能です。

しかし社会人である以上、自活したいと思う人もいるでしょう。

いただいているお給料、障害年金、支出などをじっくり考え、周囲に相談してみましょう。

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