A型作業所に通所したい人が面接で落とされることはあるのか?

notes g2958e95b2 1920 - A型作業所に通所したい人が面接で落とされることはあるのか?

障害のため長年勤めることができなかった、勤労経験が少ないので、スキルアップのためにもまずはA型作業所で働きたい……。

A型作業所を志望する人は多いですが、いざ面接をしたら「不採用」と言い渡された、という方も中にはいます。

A型作業所の面接で落とされる理由や、面接対策を紹介します。

A型作業所の面接で落とされる?本当?

「A型作業所って誰でも入所できるんじゃないの?」と思っている方もいるかもしれませんね。

A型作業所は障害者が自分の体調を見ながら作業をし、スキルアップを磨く場です。

仕事をすることに変わりはありませんし、不採用になる場合もあります。

どういった場合がA型作業所での面接で落とされるのか、紹介します。

  •  障害者ができることと会社が求めるスキルが違う場合

「自分はコレとコレができます!」とアピールしても、会社側が「いや、そのスキルはあまり求めていません」と判断されたら、不採用になります。

以前、見学・研修に来た方は自作のイラスト数点と板タブレットを持参して「イラストを描きたいです」とおっしゃっていましたが、そのスキルを活かす職場ではなかったため、不採用になったと噂になりました。

  •  A型作業所の和を乱すと考えられる人

発達障害の方が何の悪気もなく言った言葉に深く傷ついた人がいて、職場の空気が一気に重くなった、という経験があります。

「自分は発達障害だから」と本人は開き直っていたのですが、「それなら余計に自分の言ったことに注意してよ」とひんしゅくをかっていました。

  •  複数の応募があって、縁がなかった

こちらは一般企業でも同じで、採用が1名なのに複数の応募があった際は、不採用になることもあります。

私が通所していたA型作業所は、県内でも珍しく事務作業中心、土日祝日完全休日という会社でしたので、求人広告を出すとたちまち4,5人が見学・面接に来るということも多々ありました。

この場合も、パソコンスキルがある、症状が安定していて欠勤・早退などがあまりないだろうと思われる人が採用されていました。

  •  障害が重く、作業に支障が出ると判断された場合

以前、ナルコレプシーの方が採用されたことがあります。ナルコレプシーは「居眠り病」と言われる睡眠障害の一種で、時と場合関係なく、突然の睡魔に襲われる症状です。

A型作業所の上司もそれを理解した上で採用したのですが、予想していた以上に彼女の症状は重く、「いつ見ていても寝ている」ということで私たち利用者のあまりいい気分ではありませんでした。

結局会社側も「業務が進まない」という理由で、契約満了とともに退職を勧め、A型作業所を去っていきました。

A型作業所の面接対策5つ紹介

「このA型作業所なら働けそう!」そんな求人は見つかりましたか?

ここからは、A型作業所の面接でよく聞かれること、面接の対策を紹介します。

① 志望した理由を明確にしておく

A型作業所の面接の特徴として、「職歴の空白期間が長くても特に聞かれない」と言われます。

A型作業所の特性上、長く療養をしていた、仕事に行けないといった状況はある意味では「普通」のことで、空白期間について聞かれることはほとんどないと思って間違いありません。

しかし、一般でも障害でも、どの会社でも同じですが、A型作業所でも「志望動機」は聞かれます。

A型作業所といっても、仕事はたくさんあります。

私のように事務作業もあれば、製造業、サイトデザインなど専門的な知識を必要とする仕事もあります。

自分の強みを活かしたA型作業所に通所したい場合は、その旨をしっかりと面接で伝えましょう。

事前に紙に書いて、練習をしておくといいですね。

② 病名、および症状

利用者には障害をクローズにしている方が多かったのですが、面接の場では病名や症状を詳しく説明してください。

後になって「こんな症状が出るなんて、聞いていない」と誤解を生むことがないよう、とくに症状については詳しく説明することを忘れないでください。

③ できること・できないこと

できることはもちろんですが、「できないこと」も面接ではしっかり説明しましょう。

以前、A型作業所で外部からの電話を取る人が一人いたのですが、その方が辞めてしまったため、交代で電話番をすることになりました。

しかしその中のひとりが、病状でどうしても電話を取ることができないと言いだしました。(多少は性格もあったでしょうが……)。

皆さん障害を持っているので、「それなら仕方ないね」と、その方を外していたのですが、障害者にあまり理解のない上司からは「社会人は電話に出ることも仕事」と言っており、「やっぱり健常者は分かってくれないよね」と陰口を言っていました。

たとえばルーティンワークは得意だけれど、自分で考えて行動するのは苦手、初対面の人と会って話を聞くことができないなど、性格や障害で得手不得手はあって当然です。

A型作業所は一般職と違い、「できないこと」に重きを置く傾向にありますので、きちんと伝えておくと後々のトラブルが防げます。

④ 週に何時間働くことができるか

これも大事なことです。

私は5.5時間と半端な時間数で勤務していましたが、朝夕の時間がゆったりとしているので、始業までに「今日は何をする」と考える余裕があり、帰社する際も「明日のスケジュールは」と確認することができました。

病気や症状によって、4時間を5日、6時間を4日、と働き方は様々でしたが、「無理をしないでできる時間数を」と言われたので、症状に応じて時間数をお伝えしましょう。

また契約した時間でも、症状が重くなったという理由で、短時間労働、在宅勤務、休日を増やすという人もいました。

⑤ 【番外編】面接対策・見た目編

ここからは番外編、面接対策をしておきましょう。

一般職でもA型作業所でも面接対策は必ず必要です。

いざ本番になって慌てないように、事前に準備しておきましょう。

  • 履歴書、職務経歴書

最近はパソコンで履歴書を書いてもOK、という企業も多くなりました。

手書きとパソコン、賛否両論あるのですが、自分の書きやすい方で作成して構いません。

パソコンで作成した方が、書き損じがあってもすぐ書き直しができるうえ、「簡単なPC作業ができる」とアピールすることもできます。

履歴書の写真は必ず3ヵ月以内に撮影したものを貼り付けてください。

「kirei照明写真画像データサービス」では、スマホアプリをインストールして、データ化して保存するサービスがあります。

もちろん、美肌モードなどのオプションもあり、美しく見せることも簡単です。

ただし、あまりにも「盛りすぎる」と、実際にお会いしたとき「別人?」と思われる可能性もありますので、ほどほどにしておきましょう。

次は職務経歴書ですが、A型作業所に通所を希望する人は職歴が少ない、または転職回数が多いこともあります。

転職回数が少ない人は、「その職場でどんなことを学んだのか」転職回数が多い人は「様々な職場を経験して、志望したA型作業所ではどのように活かしたいのか」をアピールすると、上手に面接が進められるでしょう。

  • 服装

以前在籍していたA型作業所で面接に来た女性は、「どこかデートに行くんですか?」と言いたくなるようなフリフリスカートにリボンやレースをふんだんに使った服装で現れ、利用者の度肝を抜きました。

A型作業所とはいえ、仕事をする場です。

リクルートスーツとは言わずとも、最低限オフィスカジュアルな服装の方が好印象を与えられます。

私の場合、入所後はオフィスカジュアルも何もなく、シャツにジーンズという方がほとんどでした。

靴やバッグは黒のシンプルなもの、バッグは履歴書が折れたりしないよう、大きめのものを用意しておきましょう。

  • 髪型

特に飲食に関わるA型作業所では、清潔感が求められます。

女性は結べるくらいの長さになったら、ひとつくくりにして顔をすっきりと見せましょう。

男性はおでこを出すようにして、若々しさをアピールするようにしてください。

  • 化粧

女性の場合、すっぴんで面接に行くのはやめましょう。

最低限のメイク、ファンデーション、眉、チーク、口紅だけでも印象がグッと変わります。

最近はコロナ減少傾向のおかげで「マスクを外してください」と言われる企業も多いようです。

すっぴんではさすがに女性上司から「社会人としての自覚が薄い」と思われてしまいますので、薄化粧で構いませんので、メイクをきちんとしましょう。

  • 姿勢

いざ面接の場になったら、できるだけ姿勢よく座ることを心がけてください。

だらっとした座り方や、椅子の背もたれに背中をあずけるのは印象が悪くなるのでやめましょう。

姿勢は正しくまっすぐです。

緊張するでしょうが、できるだけ笑顔を忘れずに、「障害を持っているけれど、このA型作業所に入所したい」という強い意志をアピールしてください。

支援員の方や、家族に面接の練習などを見てもらうのもひとつの方法です。

【まとめ】

障害者の面接について、A型作業所でも面接で不採用になる可能性があるのか、どういった理由で不採用になるのか、また面接対策についても紹介しました。

ほとんどの場合、よほどの理由がなければA型作業所で不採用になることは無いと思いますが、こればかりはご縁なので、不採用になったからと言っても落ち込まず、切り替えて次のA型作業所を見学していきましょう。