「A型作業所の給料だけだと生活ができないなあ」「少し体調が良くなってきたし、アルバイトをしてもいいかな」と考えている人もいるでしょう。
今回は、A型作業所に通所中、バイトを掛け持ちすることはできるのか、掛け持ちのメリット・デメリット、注意点などについて紹介します。
A型作業所とアルバイト、掛け持ちはOK?
A型作業所に通所中、アルバイトと掛け持ちはできるのでしょうか?
詳しく紹介します。
基本的にNG
A型作業所に通所中、アルバイトを掛け持ちすることは基本的に禁止されています。
たとえ短時間のバイトであっても、作業所の支援を受けずに就労することが可能という見方をされるため、サービスの利用対象にならないとみられることがあるからです。
A型作業所の方針などによっては認められることも
A型作業所通所中にアルバイトは「基本的に」NGといったのは、作業所の考えによっては副業やアルバイトをすることを許可している作業所もあるからです。
実際、私が通所していたA型作業所は副業、アルバイト可能でした。
A型作業所でなくとも、最近は副業可としている企業も多くなりましたね。
アルバイトの可否は、通所しているA型作業所に相談してください。
A型作業所と病院に必ず相談すること
すぐにバイトを決めずに、まずA型作業所の許可を得てから、次に通院している病院の許可を得てからバイトをするようにしてください。
本人にとっては元気になったつもりでも、医師から見たら「ダブルワークをするのはまだ無理」と判断するかもしれません。
くれぐれも、無断でバイトをするようなことはしないでくださいね。
アルバイトを掛け持ちする場合のメリット
A型作業所と病院の許可がおりた、さあアルバイトをしよう!
A型作業所とアルバイト、掛け持ちすることで起こるメリットを紹介します。
金銭的な余裕ができる
当然ですが、アルバイトをすれば賃金が発生します。
A型作業所の賃金はお世辞にも高いとは言えず、生活費の援助を受けている、障害年金でやっと、という人も多いでしょう。
アルバイトをすることで、多少は金銭に余裕を持つことができます。
A型作業所と違う環境でスキルアップの可能性も
A型作業所とまったく違うアルバイトをすることで、新たなスキルを得てステップアップするチャンスにも恵まれます。
たとえコンビニの店員だとしても、人と話をするのでコミュニケーション能力を鍛えるのに充分な場ですし、A型作業所ではデスクワークだったけれど、アルバイトでは体を動かす仕事に就くことで、また違った経験をする機会に恵まれます。
副業で「自分はこういうことが得意だったのか」「自分はこれが苦手なのか」と新たな目で自分を見つめ返すいい機会になるかもしれません。
一般就労への練習にもなる
A型作業所に通所しながらアルバイトをするのであれば、周囲の人はほとんどが健常者です。
自分の障害をオープンにするかは本人の判断ですが、健常者と一緒に仕事をすることで、一般就労への練習にもなります。
A型作業所を卒業して、一般就労や障害者雇用を目指す場合でも「A型作業所通所中にアルバイトをして……」と自分の経験、思ったことを話すきっかけにもなります。
アルバイトを掛け持ちする場合のデメリット
A型作業所通所中にするアルバイトのメリットを紹介しました。
次はデメリットを紹介します。
体調管理が必須
健常者でもダブルワークはしんどい、と言われます。
障害を背負った私たちはより一層、体調管理に注意をしなければいけません。
無理をして仕事ができなくなっては、せっかく頑張って仕事をしていたのに無駄になってしまいます。
アルバイトをする際も、始めは短時間労働にして、自信がついたと思ったら時間帯を延ばしてもらうようにお願いしてみてはいかがでしょうか。
欠勤や早退はできるだけしない
アルバイトを始めたら欠勤や早退が多くなった、と思われては本末転倒です。
あくまでもA型作業所が本業。
アルバイトは副業なので、本業をおろそかにしてはいけません。
欠勤や早退が多くなったら、「やっぱりアルバイトは無理じゃないの?」と言われるでしょう。
自分の体力を考えて、アルバイトができるかよく考えましょう。
アルバイトを掛け持ちする場合の注意点は?
最後に、A型作業所通所中にアルバイトをする際、注意する点を紹介します。
両立が本当にできるかを考える
「とにかくお金が欲しい」「生活費が足りない」。
お金を巡る問題を抱えている人は多いでしょう。
ただでさえ少ないA型作業所の賃金。体調不良でお休みをしたら、さらに減額されてしまいます。
だからといって、焦ってアルバイトを始めても大丈夫でしょうか?
無理をして体調を崩せばまた仕事を休まなくてはいけなくなるし、最悪「病気をしっかり治して」と契約満了を言い渡される可能性もあるのです。
目先の悩みに不安を感じる気持ちは分かりますが、本当に両立しても体調に影響がないか、よく考えましょう。医師に相談するのも手ですね。
A型作業所の仕事を忘れない
アルバイトに熱中するあまり、A型作業所でつい居眠りをしたりケアレスミスを連発したりするようでは、アルバイトをする意味がありませんね。
ダブルワークと言いますが、本業はA型作業所。副業はアルバイトということを忘れないようにしましょう。
アルバイトはあまり長時間勤務にせず、深夜バイトなども体調を考えると、あまりおすすめしません。
まとめ
A型作業所とバイトを掛け持ちすることはできるのか、メリット・デメリット、注意点を紹介しました。
個人の意見としては、A型作業所にいる間は副業をせずA型作業所の仕事に集中し、体調が戻ってから他の仕事を探した方が良いとも思います。
ひとそれぞれ事情があるでしょうが、アルバイトをする際はくれぐれも無理をせず、体調に気をつけて仕事をするようにしてくださいね。