私は都合3年半ほどA型作業所にお世話になっていました。
そして、これだけ密度の濃い3年半はなかった、というくらい面白い時期でした。
もちろん体調がすぐれない時期もありましたし、自身がトラブルを抱えて悩んでいた時期もありました。が、今となっては笑い話です。
今回は私がA型作業所で実際に見た、起こったトラブル6選と、その対処法について紹介していきます。
A型作業所で実際に起こったトラブル6選!
私がA型作業所で実際に起こったトラブルです。
もちろん個人情報は伏せていますが、どこの作業所でも似たようなトラブルは発生しやすいと思われます。
ストレスが原因での衝突
私が通所していたA型作業所は、ほとんどの方が精神障害を抱えていました。
多かったのは発達障害、次にうつ病や双極性障害といった人たちが一緒に働いていました。
そして、人によってはとても具合が悪い時期、妙にソワソワして落ち着かないといった時期があります。
それでも我慢して仕事が出来ればいいのですが、そのストレスが爆発して、突然他の人とケンカを始めたり、「もう辞める!」と飛び出して帰ったりした人がいました。
見ているこちらとしては「何ごと?」とポカンとするだけでした。
実力と給料が見合わない
A型作業所の内情までは分かりませんが、おそらく何年通所していたとしても、昇給はない、あっても微々たるものでしょう。
それで納得している人は構わないのですが、「自分のスキルと給料が見合わない」と感じる人がいたそうです。
確かにその方は仕事も早いし高いスキルは持っているし、「どうしてここに?」と言いたくなるような方でした。
実際、上司に直談判したらしいのですが、「給料面を考えるなら、よそに言って下さい」と軽くあしらわれ、その次の日から有給消化のため休み、自身の仕事の引継ぎもせずに辞めました。
私物もそのままだったので、サービス管理責任者がブツブツ文句を言いながら段ボール箱に荷物を詰め込んでいる光景を覚えています。
作業量の違い
どこの会社でもそうでしょうが、「あの人はこれだけしか仕事がないのに、自分はこんなにたくさんの仕事がある」といった不満を溜め込んでいた人がいました。
たくさん仕事を任せられるということは、それだけその人に対する期待の表れでもあるのになあ、と、暇を持て余していた私は思っていたのですが、専門知識が必要な仕事なのでうかつに手伝うこともできません。
そうこうしている内に、その人にも不満が溜まったのでしょう。
なんと「自分で会社を立ち上げる」と言って辞めていきました。
実際に検索すると、現在でも彼のオフィスは健在です。
辞めてから知ったのですが、主にwebサイトの分析などの業務にあたっていたそうで、今の仕事も同じようなことをしているのだと、その人の友人が言っていました。
利用者同士のケンカ
人間関係のトラブルはA型作業所に限らずどこでも起こることでしょうが、利用者のケンカもよくあることでした。
人間同士ですから、馬が合わない場合もあるし、業務を巡って熱くなり、口論に発展する場合もありました。
私はケンカに巻き込まれたクチですが、同グループのリーダーから流れ弾で「文章もまともに書けない奴(WEBライティング業務担当でしたので)」と言われたのにはさすがにカチンと来て、「じゃあ今度から、自分で文章を書いて自分で投稿します!」と言い返しました。
その後の文章に関して、特にクレームも来なかったのでちょっとだけ溜飲が下がったのを覚えています。
少しのミスで休む後輩
私の後輩の話ですが……。
普段文章を書くことがほとんどない、という彼女に、ライティングを教えるのは非常に難しかったです。
そもそも自分でも手探り状態で何とか文章を書いているのに、人に教えるなんて。
しかもその彼女、ちょっときつく注意するだけで次の日は欠勤。
なにか言ったら「具合が悪くなったので」と早退。
一度彼女がかなり大きなミスをしてしまい、チーム一同真っ青になりました。
その一時間後、彼女は「すいません、体調が悪いので早退します」。
さすがに腹が立って「あ、そう」と無視してしまいました。
彼女のミスは指導していた私のミスでもあるので、先方に謝罪するのは私の役割になってしまいました。
次の日彼女はすごく元気に出勤してきたので「体調良くなってよかったねー」と皮肉を言わずにいられませんでした。
「これくらい出来て当然」
上司に言われてカチンときた言葉です。
社長が前職から引き抜いてきた方は、仕事がとてもできる人という話ですが、障害者についての理解が乏しいらしく、勉強をしている様子もないようでした。
いつからか利用者で電話応対をするようになったのですが、中にはどうしてもそれができない人がいます。
性格もあるでしょうが、どうしても電話が怖い、焦ってしまうと言って、「自分にはできません」と交渉したらしいのですが、その返答が上記の「社会人ならこれくらい出来て当然」です。
それはそうでしょうが、できないからA型作業所にいるのに。
実際に「できない」と言った人が電話当番になったのですが、もう見ている方がヒヤヒヤするほど焦っている様子が伝わります。
相手が何を言っているのかも理解できない様子で、慌てて他の利用者が電話を替わって対応し直す、という始末。
電話は会社のイメージを印象付けるとても大切な業務です。無理、とはじめから自覚している人を無理強いした上司に責任があるのでは?
結局サービス管理責任者が状況を報告し、障害やその人の性格を考慮して電話応対から外す、という対応を取っていました。
A型作業所で起こったトラブル、対処法はある?
私が見聞きしたA型作業所に起こったトラブルを紹介しました。
では実際にトラブルが起こった際、どのような対応をすればよいのか、紹介します。
支援員やサービス管理責任者に相談
一番手っ取り早い方法は、支援員やサービス管理責任者への相談でしょう。
特に人間関係のトラブルは、時に「辞める、辞めない」のおおごとになってしまうことが多いので、サービス管理責任者や支援員などが間に入り、お互いの話を聞いて解決するようにしていました。
社長、部長を挟んでの話し合い
私がリーダーと文章に関してケンカになったときはすごかった、と後から言われました。
私は普段おとなしい性格で、言いたいことも言えない性格です。
しかしその時は自分の仕事に自信を持っていたので、けちょんけちょんにけなされたときに怒りが爆発して、過去のことまで洗い出して言い争いになってしまいました。
サービス管理責任者も「これはマズイ」と判断したのでしょう、社長を呼んでの話し合いになりました。
サービス管理責任者でも解決ができない、納得できないという場合はさらに上の社長や部長を呼んで、冷静に判断ができる人を間に挟んで話し合いをするようにしましょう。
他のA型作業所などを探す
最終的な方法ですが、他のA型作業所や就業支援、一般就労など他の職場を探すこともひとつの方法です。
A型作業所に限らず仕事の選択肢はたくさんありますので、トラブルが多い作業所や、「自分に合わない」と感じるのであれば、転職も視野に入れてみましょう。
社会人として、最低でも2週間前に退職の報告をし、きちんと引継ぎをしてから円満退職するようにしましょう。「飛ぶ鳥跡を濁さず」という言葉もありますからね。
まとめ
A型作業所で起こったトラブル6選と、トラブルが起こった際の対処法について紹介しました。
私が経験した、見聞きした限りでのトラブルですので、実際にはもっと多くのことがあったかもしれません。
でもそれはどの職場でも同じではないでしょうか。
A型作業所は一般職とは違いますが、それでも「働く場」ということに変わりはありません。
できるだけ大人の対応をして、トラブルを回避したいですね。
A型作業所から障害者雇用を目指すには、転職エージェントがおすすめです!