A型作業所って、不採用になることはあるのか?

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基本的にA型作業所は障害があっても仕事をしたい、将来的に一般就労や障害者雇用を目指す場であります。

しかし中にはA型作業所でも不採用になる方もいます。

どういった人がA型作業所で不採用になるのか、理由や対策も紹介します。

A型作業所で不採用になることってあるの?

「A型作業所なら、障害者だったら誰でも採用してくれるんじゃないの?」と思うかもしれませんね。

でも実は不採用になるケースも多々あります。

どういう理由なのか、紹介していきます。

対応が横暴なA型作業所

A型作業所といっても、すべての事業所が障害者に対して熱心にサポートしてくれるとは限りません。

利益だけを求めている事業所もあるので、就業時間や通所日数が少ない人は切り捨てる、という事業所もあるのです。

中には面接で「そんな状態でここに入ってもらっては困る」「欠勤、早退はしてはいけない」といった、障害者に配慮しない事業所も残念ながら存在しています。

そういった横暴な事業所は、こちらの要望に対して応えられない場合は即不採用とするでしょう。

仮に採用となったとしても、そのような事業所ではとてもではありませんが、楽しく仕事、という雰囲気でもないでしょう。

見学で「何かこのA型作業所、おかしいな」と思ったら、辞退するのも手です。

事業者側の事情

面接に来たその人に責任がある、という以外にもA型作業所にも事情があります。

近年では、「サービス給付費を利用者の人件費に使ってはいけない」という方針ができました。

そのため自前で利益を出さなければならない事業所側は、対応が厳しくなっているのです。

採用人数が1人に対して数人の応募があった場合、スキルが高い人が積極的に採用されるので、経験や技術が伴っていない人は不採用となるケースがあります。

A型作業所で不採用になる理由とは?

A型作業所に限りませんが、一生懸命面接をして、不採用になると落ち込みますよね。

では「どうして自分は不採用になったのか」を考えて、次の面接に活かしましょう。

体調が万全ではない

面接の際、採用担当者が「この人はまだ仕事は難しいのでは」と判断された場合、不採用になる確率が高くなります。

うつむいてボソボソと話をしたり、「ここで働きたい」という意欲が見られなかったりしたら、やはり事業所側も「すぐに辞めてしまうのでは」という懸念から不採用にしてしまうかもしれません。

体調が万全でない状態で無理をしても、症状が悪化する可能性もあります。

もしかしたら面接官は、親切で「体調が良くなったら来てください」という気持ちを込めているのかもしれません。

「このA型作業所で働きたい」と思うのであれば、面接で意欲を見せるのも大切なことです。

作業にスキルが追い付いていない

A型作業所の仕事内容はほとんどが簡単な業務ですが、中には難解なスキルを求める作業所もあります。

その場合は、不採用になることもあります。

私が通所していたA型作業所がまさにそれで、聞いたこともないような用語や業務を言いつけられ、右往左往していた記憶があります。

中にはプログラミングをしたり、Facebookに投稿した記事の閲覧数などを分析したりしている人もいました。

自分のスキルと作業に食い違いがあったら、事業所に行くことも苦痛でしょう。

見学に行った際に、どのような仕事をしているか教えてもらうでしょうから、そのときに「自分はこの仕事ができるか」を確かめておきましょう。

就業時間、日数の不適合

A型作業所側は「これくらいの日数で、時間は……」と考えているけれど、面接に来た人の希望とあまりにずれている場合は、採用を見送ることもあります。

これは両方の希望がマッチしていないだけなので、他のA型作業所では自分の希望通りの事業所が見つかるかもしれません。諦めずに次を探していきましょう。

場を乱す可能性がある場合

A型作業所は多くの方が見学に来られます。

私も3年半の通所の内、何度も自分の業務内容を説明する機会がありました。

その際に「この人はちょっと……」という人がいたのも確かです。

謎の上から目線で質問する人、ハイテンション過ぎて、自分を制御できていないような人……。「あの人、きっと来ないよね」と話をしていました。

やはり予感は的中、「この事業所に合わないのでは」と感じた人は大概不採用になっていました。

A型作業所で不採用……どうすればいい?

A型作業所で不採用になった理由は、なんとなく理解できましたか?

もしかしたら自分に問題があるのではなく、会社の事情で不採用になったのかもしれませんから、あまり気にすることなく、次の行動に移りましょう。

他のA型作業所を探す

A型作業所はひとつではないので、さっさと他の作業所を探しましょう。

ハローワークの障害者専用窓口に相談して、どのような仕事に就きたいか、求人はあるか相談して、自分でもできそう、やってみたいと思う仕事はどんどん紹介してもらいましょう。

A型作業所は見学OKのところがほとんどですので、面接の前に見学をさせてもらい、事業所の雰囲気を見てみましょう。

仕事内容はもちろんですが、働いている人の表情はどうですか?

暗い雰囲気でしたら、あまり良くない事業所かもしれません。チェックを怠らないようにしましょう。

また家族やハローワーク職員の同伴も可能ですので、第三者の目で見てもらい、このA型作業所は大丈夫か、聞いてみるのもひとつの方法ですね。

就労継続支援事業でスキルアップ

スキルが足りずに不採用となった場合、スキルアップを目指して就労継続支援事業に通所するのもひとつの方法です。

就労継続支援事業ではパソコンを使ってWordやExcelの基礎知識の習得、Photoshopとillustratorを使ってデザインを勉強するような、専門的な知識を教えてくれるところもあります。

また面接対策や職業相談・求人情報の提供も行っています。

キャリアを活かしてA型作業所に入所したいと思う場合は、一旦遠回りをしてでも、就労継続支援事業でスキルアップを目指してから事業所探しをした方が、採用の確率も高くなります。

障害者雇用を探す

A型作業所にこだわらず、障害者雇用を目指すという手もあります。

障害者雇用促進法43条第1項では「従業員を43.5人以上雇用している事業主は、障害者を1人以上雇用」とされています。

まだまだ実施している企業は多くありませんが、障害者を積極的に採用している企業もあります。

障害者雇用でしたら、自身の障害や症状について詳しく知ってもらうことができます。

ある程度の欠勤、早退などは認められているので、中にはA型作業所よりも働きやすい、しかもお給料も高い、という場合があります。

症状が安定していて、ある程度の時間働ける、という自信がついた場合、障害者雇用を考えてみてもいいですね。

障害者専門の求人サイトもありますので、登録して探してみることもおすすめです。

一般就労を目指す

障害者雇用ではなく、一般就労を目指すという方法もあります。

面接では必ず前職について、療養していた人は空白期間について聞かれると思います。

この場合は、自身に障害があることを伝える必要があるでしょう。

「ですが今は症状も寛解し、健常者と同様に働くことが可能です」と強くアピールしましょう。

障害に関してオープンにするか、クローズにするかは個人の自由ですが、もしクローズにしたい場合は、面接の段階で伝えることを忘れないようにしましょう。

まとめ

A型作業所で不採用になることはあるのか、その理由、その後の対策について紹介しました。

大概の人が採用となるA型作業所で不採用になるというのはショックが大きいかもしれませんが、自分に合ったところは必ず見つかります。

あまり落ち込まずに、反省すべき点を考え、次の行動に活かしていきましょう。