障害者雇用で働いていると、一般就労に比べるとずいぶん違う部分があります。
就労面であったりコミュニケーション面であったり……
そこで今回は「障害者雇用あるある11選」を紹介します!
障害者雇用あるある11選!
「障害者雇用って○○があるよね~」。
筆者が実際に感じる、または他の人が感じる「障害者雇用あるある」を紹介します。
相談しやすい環境が整っている
まずは良い点から。
障害者雇用に力を入れている企業は社内でも相談窓口があることが多く、業務について、体調についてなど相談しやすい環境が整っているのが特徴です。
周囲の人には相談しづらいことでも、相談窓口に連絡すると解決の糸口が見える、または相談窓口が動いて障害者が働きやすいようケアしてくれることもあります。
もちろん守秘義務が課されているのであなたが相談した内容が他の人に漏れることはありません。
分からないことも言いやすい
障害者に限らず、すぐに仕事を覚えられない人もいます。
私自身がそうなのですが、「何回も聞いたら叱られそう」と思って聞けず、失敗してしまうこともあり得ます。
その点障害者雇用では分からないことはすぐに「申し訳ありません、もう一度教えてください」と聞きやすい部分があります。
「障害者であることを傘にしているのか」と感じる方もいるかもしれませんが、障害の一環で一度に仕事を覚えられない方には、覚えるまで仕事を教えるよう配慮してもらえるので、自分のペースで仕事を覚えられます。
合理的配慮をしてもらうので、自分のケアについて考えられる
面接の際、大概の企業が「配慮してほしい点はありますか?」と聞かれると思います。
車いすの人は「トイレにスロープをつけてほしい」精神疾患の方は「気圧の変化で体調が狂いやすい」などを伝えることで会社が配慮すべき点を考えてもらえます。
それと同時に「私はどの程度まで自分ひとりで出来るか」を考えるきっかけにもなります。
会社は合理的配慮をしてもらえますが、自分自身も「これは手助けはいらないかな」とできること、できないことを考える機会にもなります。
障害者雇用をしている企業は「障害者は『してもらって当然』という考えの人もいる」と嘆いているという話を聞きます。
合理的配慮とワガママは違います。
自分でできることは自分で。
障害者であってもそれはきちんと理解しておきましょう。
給料、低すぎる!
ここからはブラックな「あるある」です。
どの障害者雇用でもそうでしょうが、お給料が一般就労者の約半分というのが当たり前、というのが納得できませんね。
中には健常者と同じくらい働いているのに、給料は健常者よりも圧倒的に低いということもザラにあります。
障害者雇用は一般的に6時間勤務が多く、そこで体調不良による欠勤、遅刻早退などが重なるとさらに給料が低くなってしまいます。
どうしても今の給料に納得ができない場合は、別の就労先を探すしかありません。
あからさまな差別
本人らは気づいていないでしょうが、あからさまな差別が横行しているのも障害者あるあるです。
差別が言いすぎなら「区別」でしょうか。
「障害者雇用の人にこれはできないに決まっている」と勝手に判断して仕事を与えなかったり、仕事をして失敗したら「これだから障害者は……」とハッキリ口に出して言ったりする人もいます。
「配慮」が「おせっかい」になることも
これは本当に対処に困る問題なのですが、「障害者」というと必要以上に世話を焼きたがる人もいます。
本人にとっては純粋な善意なのかもしれませんが、障害者にとっては「おせっかい」と感じることも。
ハッキリ言ってしまってはその人が傷ついてしまうこともあるので、こちらも対処に苦慮してしまいますね。
障害者同士が固まってしまう
これは気をつけたいことですが、障害者雇用で就労すると、どうしても障害者同士で固まってしまう傾向があります。
確かに障害について理解できるのは同じ障害者ですから、仲良くなるのは同じハンデを背負っている人、という気持ちは分かります。
しかし障害者同士で結束してしまうと、健常者はどうしていいのか、どうして欲しいのか分からなくなってしまいます。
また一緒に仕事をしている健常者たちも、障害者同士がコソコソ言い合っているとあまり良い気分にならないでしょう。
障害者と健常者。
これはもう埋められない「壁」です。しかし壁を壊すことはできます。
気持ちが分かる人たちと結束するのも良いですが、楽しく仕事をしたいのであれば、健常者、障害者区別なくコミュニケーションを取る努力が必要です。
確かに私たち障害者は、健常者が苦も無くできることができない場面もあります。
しかしそれを「私は障害者だから、他の健常者にしてもらうのが当たり前」という思考に陥っていませんか?
健常者、障害者の区別なくコミュニケーションを取るように意識しましょう。
欠勤、遅刻などが多いと気まずい雰囲気に……
どうしても身体が動かせない、体調不良で休まざるを得ない。
障害者に多い問題です。
企業側はそれを承知して採用しているのですから、欠勤や遅刻早退に関してはある程度寛容に対処してもらえます。
しかしそれがずっと続くと、周囲の人から冷たい目で見られることもあります。
障害があることは分かっているけれど、その人に与えた仕事は自分たちに回ってくるのですから、ちょっとイラっとするのは当然かもしれませんね。
体調が良くなって出勤したら「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」の挨拶はしっかりしておきましょう。
「障害者」を理由に簡単な仕事しか与えてもらえない
障害者とひと口に言っても、身体、精神、知的と分かれて、さらに病名が枝葉のように分岐しています。
私が以前通所していたA型作業所では、発達障害でありながら東大レベルの学力を持った人がいました。
しかしそれらの特性をよく理解せず「障害者は簡単な仕事をさせておけばいい」と考え、単純作業しか与えない企業もあります。
障害と言ってもできることはたくさんあります。
先程紹介した人は高度なプログラミング技術を持っていて、それを活かした仕事(難しいので何をしているのかさっぱり分かりませんでしたが)をしていました。
障害以前に、得意不得意な仕事もあります。
障害者を単純に十把ひとからげにして対処する企業は、あまり良い会社とは言い難いですね。
契約打ち切りされることも
障害者雇用で働いている人の中にはパート、アルバイト、派遣社員といった雇用形態で仕事をしているかたもいるでしょう。
ブラック企業(ここでの「ブラック企業」は「障害者に優しくない企業」とします)では、障害者を理由に突然派遣切りをしたり、人員整理、つまりリストラをする場合障害者を優先的に解雇したりする場合があります。
しかしこの行為は法律で禁止されていることです。
もしも自身に思い当たる行動がなく、障害を理由に解雇されたと感じたら、すぐに労働基準監督署に相談しましょう。
健常者の思い込み
健常者は障害者のことを「○○障害だから、これは無理だろう」「××さんは△△の病気だから、仕事は簡単なものだけ振ろう」といった思い込み。
本人にハッキリと聞いてくれれば問題はないのに、思い込みだけで勝手に行動をされると気分が悪いですよね。
思い込みで行動をしている人には「これはできます。これはできません」とハッキリ伝えると分かってくれるでしょう。
まとめ
障害者雇用あるある11選を紹介しました。
障害者にとっては「あるある」な内容でも、健常者にとっては「え? そうなの?」ということもあったのではないでしょうか。
ハンデを抱える私たちのことは、健常者には理解しがたい部分もあるでしょう。
しかしそれを放っておかず、積極的にコミュニケーションを取って狭間を埋めることはできます。
特にブラックな部分はきちんと話し合いをして、双方納得した上で楽しく仕事ができるよう、努力しましょうね。
障害者雇用で働くには、転職エージェントの利用がおすすめです。