私が考える障害者雇用に関係する課題8選!

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私は精神障害者で、現在は特例子会社(障害者の積極的な雇用、合理的配慮に力を入れている企業)にて正社員で仕事をしています。

完全在宅なので体力に自信がない私にとってはとてもありがたい仕事です。

しかし障害者雇用といってもすべてにおいて満足、ということはありません。

そこで今回は、実際に障害者雇用で働いている障害者が感じる課題を8つ紹介します。

障害者雇用は課題だらけ? 8選を紹介

障害者雇用でも一般就労と同じく問題や課題がたくさんあります。

特に「障害者雇用だからこそ」と感じる課題を紹介します。

給料が安すぎ問題

これはどの記事を読んでも書かれていることですが、給料の低さに愕然とする人が多いようです。

障害者雇用の給料が低い背景には、時短勤務、突然の病欠や早退など障害者への配慮や体調不良などもあります。

しかし時給は県の最低賃金、どれだけ頑張っても昇給や昇格はない、中には健常者と同じ仕事をしているにもかかわらず給料が半分、ということもザラにあります。

筆者自身も一度会社に直談判をしたことがあります。

しかし答えは「うちの企業は昇給や昇進はありません。お金が欲しいなら副業をしてください」と一刀両断。

副業できるほど体力があるなら障害者雇用で働いているか、と心の中で毒づいていました。

いくら障害者に配慮した特例子会社でも、頑張りを認めてもらえないとやる気も失せてしまいます。

私も実際、現在は最低限の仕事だけして体力を使わないようにしています。

障害者の差別

「たかだか障害者雇用のくせに、うるさいんだよ!」

実際に筆者が言われたことです。

その企業は正社員が全体の1割程度、あとはパートで障害者雇用を少し雇っている、といった企業でした。

店舗数も多いスーパーだったため、障害者は店舗に1、2人程度。

また正社員に障害者についての教育をしっかりしていなかったのか、他の健常者と比べてあからさまな差別をされたこともあります。

上司がそういった態度を取ると、部下も同じようなことをするのは当然でしょう。

みな同じように私を下に見て、用事がなければ特に話しかけることもなく、仕事でミスをしようものなら鬼の首を取ったように叱られたものです。

そのような環境で症状が悪化しない訳はありません。結局クビのような形で退職しました。

現在、障害者は増え続けていると言われます。

過剰労働や人間関係でうつ病や不安障害を発症している人も多いようです。

しかし障害者に理解の無い人は絶対に自分を曲げず、ここでは書けないような禁止用語の呼び方をされたこともあります。

そのときの相手の顔の醜さ。

私は絶対に障害者を差別するような人間にはなるまい、と決意した瞬間でした。

障害自慢大会?

こちらは障害者側の課題です。

障害者雇用で採用された場合、先に就職している先輩がいるかもしれません。

そのとき「私の病気はこれで、この症状で」といった、簡単な病気の説明をされることもあります。

「私はこの病気で」と話し合うことで関係を深めて、お互いをカバーしあえる関係になることもあります。

しかし段々と「障害自慢大会」に発展することもあります。

これは障害者を多く雇用している企業にありがちなこと。

「私はこんなにきついのに、皆さんは症状が軽くていいですね」といったような雰囲気になって、「でも私はこんな病気でね」と言い返す人も出てくる。

まさに「障害自慢大会」です。

健常者でも「仕事が終わらなくてさー、2時間しか寝てないんだよ」という風に「寝ていない自慢」をする人がいますよね。それと同じようなものです。

障害が軽かろうが重かろうが、関係のないことです。

「私は可哀想なのよ」と自己憐憫する前に、仕事をするようにしましょう。

できる仕事でも取り上げられる

障害者雇用で多く言われる課題が「自分でできる仕事でも取り上げられる」という問題です。

特に障害者雇用の経験がない、または少ない企業に多くあることです。

企業、または上司や同僚からすれば配慮かもしれませんが、行き過ぎた配慮は「私は会社にいるだけの存在なの?」と不安に思うこともあります。

仕事を取り上げられるのが嫌なら「これは自分でもできますので、こちらのフォローをお願いします」ときちんと口で説明するようにしましょう。

自分の口から言わない限り、この問題は解決に至りません。

健常者からのモラハラ

「健常者からのモラハラ」は障害者の皆さんから聞く言葉です。

前述したように、私も健常者からのモラハラ発言に怒り狂いそうになったり、反対に自責の念で自死を考えるほど追い詰められたりした時期もあります。

「262の法則」というものがあります。

どんな自分でも好意を寄せる人は2割いて、どちらでもない人は6割、何をしても大嫌いな人が2割いる、という法則です。

すべての人が自分に好意を寄せてくれることはありません。

「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という言葉にもあるように、人間関係は複雑で合わない人とはどこまでも折り合いが付きません。

人間関係に悩んでストレスを溜めてしまい、症状が重くなってしまってはせっかく障害者雇用で働いているのに、長期休養や退職といった事態になってしまいます。

もし健常者からモラハラを受けたら「ああ、また始まった」と流す癖を身につける、どうしても我慢できないのであれば上司に相談するなど、方法はいくつもあります。

どうかモラハラに負けないでください。

1年以内の離職率の高さ

障害者雇用で採用されたとしても、1年後の定着率は身体・知的障害者が6割、精神障害者は5割を切るのが現実です。

離職の理由は様々でしょう。

障害が悪化した、人間関係に悩んだ末などが考えられます。

企業が障害者を雇用したがらない理由はこの離職率の高さにあると考えられます。

時間をかけて仕事を教えても、すぐに辞めてしまってはそれまでの時間とコストはまったくの無駄となってしまうからです。

障害者はいつ働けなくなるか、本人にも分かりません。

もしも体力に自信がないという方は一旦A型作業所などに通所して、自信がついたら障害者雇用の仕事を探す、という手段もあります。

「数合わせ」の障害者雇用

企業は一定数の従業員を雇ったら、障害者を雇用する義務があります。

そこで障害者雇用を雇うのですが、明らかに「数合わせのための採用」と思われる企業もあります。

「とりあえず障害者を雇ったから問題ない」と言わんばかりに、障害者を雇用してもあとはほったらかし、仕事をしたいと申し出てもコピー取りや掃除など、簡単な雑務しか与えられないという企業もあります。

これは障害者についてしっかりと勉強をしていない企業によく見られる光景です。

「社内ニート」という言葉がはやりましたね。

健常者でも社内ニートはいますが、障害者でも下手をしたら社内ニートになってしまうこともあります。

「障害者雇用」は企業にとってお荷物?

前述したように障害者雇用は企業に課せられた決まり事です。

しかし障害者は得手不得手に配慮しなければならない、突然の欠勤や早退は許可しなければならない。

企業側、特に実際に同じ部署で仕事をしている方は「障害者と接するのは難しい」と感じているかもしれません。

企業が障害者をお荷物と思っているのなら、そうならないように努力することも大切です。

積極的にコミュニケーションを取る、仕事に役立ちそうな資格取得の勉強をする、自分にできる仕事を上司に伝えるなど、自分で動いて解決する問題もあります。

コミュニケーションを取ることが苦手と感じる方もいるでしょう。

しかし健常者と障害者の壁を取り払うには、どちらかが壁を壊さないといけません。

失敗しても死ぬことはありません。

ぜひ勇気を出して一歩踏み出してみてください。

まとめ

障害者雇用に関係する課題8選を紹介しました。

障害者雇用の課題は根が深く、なかなか解決が難しいことが多いのですが、できればやっと手に入れた仕事、長く勤めたいですよね。

課題は山積していますが、自身だけで抱え込まず、誰かに相談するなどしてできる限り長く勤められるよう、頑張ってください。