「障害者雇用に何社も応募しているのに、書類選考すら通らない……」と悩んでいる方、いませんか?
早く仕事をしてお金を稼ぎたいのに、肝心の企業から採用が来ないのであればそれもできません。
今回は、障害者雇用に受からない原因、またその対処法6選を紹介します。
障害者雇用に受からない! 原因はなに?
どれだけ頑張っても障害者雇用で採用されない。どうして? 疑問や不満に思う方も多いでしょう。
障害者雇用で採用されない原因を紹介します。
精神障害者は雇用されにくい
はじめにハッキリと言います。
身体障害者に比べると、精神障害者は採用されにくい傾向にあります。
原因は色々とあるでしょうが、主に「どんな障害なのか、目に見えない」「いきなり体調を崩されると困る」「すぐに辞めそう」といった理由が考えられます。
求人では「身体障害者限定」などと言った書き方は絶対にしませんが、一般就労並みに給料が高い企業は、主に身体障害者を採用したいと考えている可能性が高いそうです。
差別、と思うでしょう。しかしこれが現実です。
就業経験がない
障害者雇用は一般就労に比べると、職務経歴をあまり重視していません。
なぜなら休職期間が長かったなどの理由があるため、それまでの履歴よりもあなた自身を見ていることが多いからです。
しかしあまりにも無職の期間が長い、または就労経験そのものがない場合は若干不利になります。
障害者求人の中には「就労経験無い方も歓迎」と銘打っている企業もあります。
しかし休職期間が長いと「それだけ症状が重いのであれば、長く働けないのではないか」といった目で見られる可能性もあります。
安定して働けそうに見えない
書類選考を無事に通過して、いざ面接になった際、だるそうにしていたり話すことも億劫そうにしていたりしたら、「まだ働ける状態ではない」と判断して即不採用になること確実です。
障害者雇用で働きたい、という理由は人によって違うでしょうが、まだ症状が安定していない場合はまずA型作業所、B型作業所などから始めるようにしましょう。
その間に体調を整え、作業所でスキルを磨く時間にし、もう一度障害者雇用にチャレンジしましょう。
障害に対する対処法を考えていない
特に精神障害者は、人によって症状が様々です。
筆者はパニック障害を患っており、業務中でもたまに発作を起こします。
その場合は薬を服用し、しばらく安静にしていれば症状は治まります。
このように「このような場合、こういった対策をすればきちんと働けます」と、自分で体調管理ができることをアピールできないと、企業側は「本当に働けるのか?」と不安に思い、不採用としてしまうことが考えられます。
企業の採用実績がない
こちらは企業側の理由ですが、そもそも障害者を雇用した実績がない企業がまだ多くないことが問題視されています。
企業は一定数の従業員を雇用した場合、障害者を雇用する義務があるのですが、それでも実施している企業は大手ばかり。
障害者の雇用実績がない企業では、ある意味障害が分かりやすい身体障害者を採用することが多いようです。
反対に精神・知的障害者は敬遠される傾向にあります。
配慮事項が「ワガママ」に取られている
企業は障害者を採用する際「合理的配慮」をする必要があります。
車いすの障害者が通れるように通路を大きくしたり、適度に休憩を取るスペースを作ったり。
そういった配慮は面接の際に伝えると良いですが、あまりにも配慮がたくさんありすぎると「ワガママ」と取られがちになってしまいます。
実際に障害者も「私は障害があるから」と思い、本来なら自分でできる業務も他の人に押し付けるといったトラブルを起こす人もいます。
配慮はお願いできますが、それがワガママになっていないか、自分で考えてから申告するようにしましょう。
障害者雇用で働く! 対処法6選
障害者雇用で不採用になる原因について紹介しました。
当てはまる点はありましたか?
次は障害者雇用で働くための対処法を6選紹介します。
①履歴書の見直し
どの企業に応募しても、まず見られるのは履歴書です。履歴書でまず見られるのは、名前、顔、志望動機・自己PRと言われます。
写真は6ヵ月以内に撮った写真を貼りましょう。証明写真機も進化して、美白モードなどの機能が付いた写真機もあります。また多少高くなりますが、QRコードを読み込むことで、写真をスマホにダウンロードできる証明写真機もあります。最近はPCで履歴書を書くことが多くなったため、データで残せるのは大変便利なのでおススメです。
また志望動機・自己PRはキッチリと埋めるようにしましょう。「興味があったから」は100%落とされます。会社は遊びに行く場でも見学する場でもありません。「どうしてこの企業に入りたいと思ったのか」を説得力ある文章で説明しましょう。
②職務経歴書のチェック
多くの企業は職務経歴書の提出を求めます。中には職歴のない人もいるでしょうから、その場合は必要ありません。
職務経歴書は、「今まで自分がどのような仕事をして、何を学び、何を得たのか」を披露する書面です。
たとえルーティーンワークでも「いかに効率よく、多くの商品を製造するかを考えながら仕事をしていました」など、切り口はいくらでもあります。
そして今までの経歴を語ったうえで再び「今まで得たことを、応募先の企業にどう活かしていきたいのか」をアピールしましょう。
③面接対策
書類選考に通った! 次は面接です。
障害者雇用の面接は、志望動機やPRももちろんですが、障害のことを訊かれる時間が長くなると考えられます。
「長時間働いて大丈夫か」「健康管理はしっかりとしているか」「もしも体調が悪くなった場合、会社はどうすれば良いのか」などを聞かれるでしょう。
真摯に答えるのはもちろん大事なことですが、「ここで働きたい!」という意欲をしっかりと見せましょう。
ボソボソと元気なく話をしたり、下を向いて話したりしてしまっては、まず採用されません。
面接で訊かれるであろうことを予想して、予行練習をしておくと本番でもあがらず答えられます。
④身だしなみをチェック
人の第一印象は6秒で決まると言われます。
面接という大舞台に立つのですから、ヨレヨレのシャツやズボンではイメージダウンもいいところです。
リクルートスーツを着ればいい、と思っている方も多いでしょうが、筆者の経験上、また他の方の情報をもとに書くと、リクルートスーツを着られるのは20代まで。
それ以降の年齢の方がリクルートスーツを着用すると「社会人経験がない」と見られる可能性があります。
男性はあまり派手でないスーツとネクタイ、シャツはきちんとアイロンをかけたものを着る。
女性はいわゆる「オフィスカジュアル」で、シンプルなブラウスとスカートといった格好が無難です。
面接直前で慌てないように、面接日が決まったら服装のチェックも忘れないようにしましょう。
⑤意欲を見せる
「この会社でこのような仕事をしたい」「障害を持っていても全力で仕事に取り組みたい」。意欲を見せるのは障害者も健常者も同じです。
同じような年齢、障害、スキルを持っていて、どちらかを採用するか決めなければならない場合、やはり「ここで働きたい」という意欲が強く見える方を採用するのではないでしょうか。
日本人は自分の長所を話すことが苦手な人が多いのですが、面接の場は別です。
自分の良いところ、持ち味、スキル、得意なことなどなんでもアピールして、採用をもぎ取っていきましょう。
⑥エージェントに相談
面接や書類選考について、エージェントに相談するという手もあります。
最近は転職サイトが数えきれないほどあります。
中には障害者専門の求人サイトも多くなりました。
現在、求人募集はハローワークにとどまらず、サイトを通じて行うことも普通になっています。
中にはサイト独自のパイプを持っていて、非公開求人、高案件の求人を持っているサイトもあります。
その中には、書類のチェックや面接について相談できるエージェントがいます。
彼らと話をすることで不安を取り除くことで、良い結果が出る可能性もあります。
ハローワークで求人を探している方も、いくつか求人サイトに登録しておくと間口が広がるので就活が有利になりますよ。
まとめ
障害者雇用に受からない理由、対処法6選を紹介しました。
採用されないのはそれなりの理由があってのことでしょうが、ぜひこの機会に自分を見直して「どうすれば採用されるのか」をじっくり考えてみましょう。
前述したようにエージェントに相談したり、ハローワークの障害者雇用専門窓口でも質問したりできます。
どうか諦めずに就活をすすめ、無事に障害者雇用の採用を勝ち取ってください。
障害者雇用で働くには、転職エージェントの利用がおすすめです。