障害者雇用で働いている筆者ですが、「これは必要なことだ」「これは不必要なことなのだけれどな」と思うことが数多くあります。
今回は障害者雇用で働く際必要なモノ、不必要なことを紹介します。
障害者雇用で働くために、必要なモノは?
障害者雇用で働くためにはどのようなモノが必要でしょうか。
紹介していきます。
障害者手帳
障害者雇用で働くために一番大切なモノは「障害者手帳」です。
これが無いと障害者枠で働くことはできません。
身体障害者手帳、精神障害者手帳、療育手帳がそれに当たります。
障害者雇用は企業に与えられた義務ですので、障害者手帳の提出が必ず求められます。
手帳を持つことに抵抗がある方もいるでしょうが、障害者雇用で働くためには、手帳は必ず作っておきましょう。
合理的配慮
これは会社にとっても必要なモノですが、合理的配慮は障害者にとって必要なモノです。
たとえば時短勤務や始業時間の変更、遅刻・早退。また障害者が働きやすい環境を作ることも企業に与えられた義務です。
大きな企業は合理的配慮もしっかりとしてもらえますが、中小企業はあまり配慮をしてくれない所もあります。
面接の際、配慮してほしいことはハッキリと伝えるようにしましょう。
何よりも「やる気」!
上記までは法律上でも必ず必要なモノでした。
では次に、障害者本人に必要なモノを紹介します。
まず何よりも必要なモノは「この仕事をやりたい!」というやる気です。
「ただ何となく応募した」では仕事もつまらないものになってしまいますし、最悪の場合、ストレスから症状が悪化してしまう恐れがあります。
障害者雇用は決して多いとは言えませんが、その中で「この仕事なら長く続けられそう」「この仕事は自分のスキルを活かせそう」など、自分の気持ち、できることをよく考えた上で応募するようにしましょう。
体調管理
体調管理も障害者雇用に必要なモノです。
もちろん企業は合理的配慮として早退や欠勤には比較的柔軟に対応してもらえます。
しかしいつでも体調が悪い、月に何度も欠勤や早退を繰り返していては仕事に遅れが出てしまったり他の人があなたの仕事をするはめになってしまったりします。
たとえ体調不良でもそれが目に余る程続けば「まだ障害者雇用は早いのでは?」と、会社から遠回しに退職するよう告げられた、という例もあります。
本人としても居心地が悪くなってしまうので、障害者雇用で働く場合、ある程度体調が回復しもし体調が悪くなっても最小限で食い止められる対策をする(服薬する、短時間の休憩を取る等)ようにしましょう。
適度なコミュニケーション
障害者雇用に限らず、企業で働くにはコミュニケーションが欠かせません。
データ入力やプログラミングなど、黙々と作業する仕事もありますが、誰ともコミュニケーションを取らない仕事はありません。
「自分は障害者だから周りが動いてくれる(話しかけてくれる)のを待つ」のではなく、自らも積極的にコミュニケーションを取って早く会社になじめるようにしましょう。
業務に関するスキルや資格があれば尚良し
こちらは「できたら」で構いませんが、業務に関する知識や資格があれば採用の可能性が高くなり、実際に入社しても即戦力として重宝されます。
もし今あなたが障害者雇用の求人を探していて、具体的な業種も決まっているのであれば、その業務で役立つ資格を取得するのも手です。
資格取得に時間がかかる場合は、履歴書に「○○の資格取得のため勉強中」とアピールすると、企業も「この人はやる気がある」と認めてもらえるかもしれません。
「これは要らない!」障害者が語る「障害者雇用に不必要なこと」
障害者雇用に必要なモノを紹介しました。
しかし反対に「これは要らないよ~」というモノもありますよね。
障害者雇用で働いている筆者が感じる「障害者雇用に不必要なこと(モノ)」を紹介します。
過剰な特別扱い
「障害者だから」と何でもかんでも特別扱いされると、何だか壁を感じる人はいませんか?
障害というハンデを背負っているので、健常者と同じように働くことは難しいかもしれませんが、過剰に接されると今度は「健常者」と「障害者」の壁を感じてしまいます。
配慮をしてもらうのはありがたいことですが、適度で良いこともあります。
自分で出来ることに手を出そうとして下さる方には「ありがとうございます。でも自分で出来ますから」と言うようにして、あまり特別扱いをしなくとも良いことを伝えましょう。
不必要な規則・制約
「障害者だから」と言われ本来であれば必要のない規則や制約を結ばされた、という話を聞きました。
具体的には、「障害者」だから健常者にはある昇給やボーナスは無し、単純作業ばかりで仕事を任せてもらえないなど。
不当な扱いを受けている場合、上司に相談して解決してもらうようにしましょう。
差別・区別
無意識の差別は一番質が悪いと思っています。
「あなたにはどうせ無理でしょう?」「ここは私たちだけでやるから、あなたはあっちで作業して」など、差別発言には枚挙にいとまがありません。
また「区別」する人もいますね。差別と区別の使い分けは微妙で難しいのですが、「健常者」「障害者」とグループ分けするような雰囲気がある会社も存在します。
たとえば休憩時、健常者(または障害者)だけが集まって昼食を摂る。
仕事の分担も「ここは健常者、そっちは障害者がする仕事」と明確に分けている会社もあります。
健常者が障害者のことを上手く理解できないように、私たちも健常者の気持ちを理解することは難しいでしょう。
やはり積極的なコミュニケーションを取って、お互いに築かれた壁を取り払う努力が必要になります。
まとめ
障害者雇用で働くために必要なモノ、不必要なことを紹介しました。
筆者は障害者雇用で働き始めて1年半経ちます。自分のスキルを活かした仕事に就けたのは幸いですが、やはり不満に思うこともあります。
仕事をする上で必要なモノ、不必要なことは面接の場や上司にしっかりと伝え、気持ちよく働けるようにしたいですね。
障害者雇用で働くには、転職エージェントの利用がおすすめです。