徹底解説!A型作業所とB型作業所の違いについて

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A型作業所、B型作業所。実際に障害にならないとまず知らない言葉ですよね。

私も病気になって初めて存在を知りました。

「A型作業所ってなに?」「B型作業所との違いは?」と疑問に思っている方へ、A型作業所とB型作業所の違いや、A型作業所に向いている人、B型作業所に向いている人の違いも紹介します。

A型作業所とはどんなところ?B型作業所との違いは?

「A型作業所?」「B型作業所?」まずここで悩む人も多いでしょう。

どのような違いがあるのか、簡単に紹介します。

A型作業所の場合

  • 一般就労が難しい人に向けた障害福祉サービス

A型作業は心身に障害があり、一般就労ができない方が受けられる福祉サービスです。

また特別支援学校を卒業したけれど、就職に結びつかなかった、という人もA型作業所に通所することができます。

私が在籍していたA型作業所も、毎年春になると2~3人の特別支援学校卒業生が入所していました。

  • 雇用契約を結んで支援を受けながら働く場

B型作業所との違いは、雇用契約を結んで、支援を受けながら働ける場ということです。

就業に関しての支援はB型作業所も同じですが、悩んだり困ったりしたときに、在籍しているサービス管理責任者や、外部の相談員に相談することができるので、安心して仕事ができます。

  • 最低賃金が保障されている

A型作業所とB型作業所の最大の違いは、雇用契約の有無でしょう。

A型作業所はA型作業所と受給者が雇用契約を結ぶので、最低賃金が保障されています。

最低賃金は県によって違いがありますが、一般的に都市圏は高く、地方に行くほど賃金は低い傾向があります。

県によって違いますが、時給も最低賃金なので、手取りは7~10万円もらえたら良い方だと思っておきましょう。

A型作業所でのひとり暮らしはかなり難しいので、その点は承知したうえでA型作業所に通所してください。

B型作業所の場合

A型作業所について紹介しましたが、理解できましたか?次はB型作業所について見てみましょう。

  • 一般就労が難しい人を対象とした作業所

一般就労が難しい人が入れる作業所、という点ではA型作業所も同じですが、B型作業所になると、よりルールがゆるくなっているという点が特徴です。

A型作業所も自分のできる範囲で作業日数や時間を決められますが、B型作業所は週に1回、1時間からでも就業可です。

作業は主に農作業や袋詰め、値段付けなどの軽作業が多く、周囲のサポートを受けながら自分のペースで働くことができます。

  • 雇用契約は結ばない

A型作業所との違いでも紹介しましたが、B型作業所は雇用契約を結びません(非雇用型と呼ばれます)。

そのため、お給料は「賃金」ではなく「工賃」と言われます。

A型作業所とB型作業所、どちらが自分に合っているのかは一概に言えませんので、ハローワークの障害者専用窓口や病院の医師に相談することをおすすめします。

  • 作業量に合わせて工賃を受け取る

B型作業所は「成果報酬」として工賃を渡す事業所がほとんどです。

何かしら作ったものに対数する成果報酬としての「工賃」です。

今回記事を書くとき調べて意外に思ったのが、A型作業所とB型作業所、数が多いのはB型作業所の方でした。

A型作業所は年齢制限が設けられているからでしょうか。

B型作業所は65歳を過ぎても働けるメリットがあります。

ただし、工賃は非常に安いのでここは絶対に忘れないでください。

2019年度の平均月額工賃は16.369円。お小遣い程度です。

長い時間の就労は難しい、症状が安定しないという方はB型作業所が向いているかもしれませんが、「いずれ一般就労に行くための訓練」と思って通所する方がいいでしょう。

【体験談】博多のB型支援所に見学した話

私がB型作業所の見学をしたお話します。

そこは博多駅のすぐ近くにある事業所で、イラスト作成や動画編集、楽曲提供など、自分が楽しいと思えることが何でもできるという、珍しい作業所でした。

私自身はデジタルでイラストを描くことができるので、一度見学を、と誘われてそのB型作業所に見学に行きました。

その日は雨が降っていたので、体調不良の方が多く、事務所に5人くらいしかいません。それぞれイラストを描いたり、ヘッドフォンで音楽らしきものを作ったりしている様子が見られました。

支援員の方にお話を伺うと、利用者が作ったイラストや小説、詩などを編さんした無料の雑誌を作っているとのこと。いずれは販売を計画しているとおっしゃっていました。

そこで賃金について尋ねたところ、「2万円くらい」との回答に耳を疑いました。

自分で言うのも何ですが、クリエイティブな作業に対して、時給が200円くらい? しかも週に1回は通所しなければならないと言われたので、その交通費で工賃がなくなります。

あまりのことにバカバカしくなって、さっさと引き上げて帰りました。

その後そのB型作業所から連絡がありましたが、工賃に関して話をすると、「B型作業所だから、A型とは違いますよね」と納得されていました。

B型作業所の知識がなかった私も悪いのですが、賃金が気になるのであれば、A型作業所か障害者雇用、一般就労にしましょう。

A型作業所とB型作業所、どちらがいいの?

A型作業所、B型作業所の違いついて簡単に説明しましたが、どちらが自分に向いているか、分かりましたか?

分からない場合は家族に相談してもいいですし、ハローワークの方や相談事業所の支援員の方に相談して、一緒に作業所の見学に行ってもいいですね。

ここからはA型作業所に向いている人、B型作業所に向いている人の違いを紹介します。

A型作業所に向いている人

  • B型作業所からステップアップしたい人

現在B型作業所に通所していて、もう少し仕事をしたいな、お金が欲しいな、と考えている人は、ぜひA型作業所を探してみましょう。

上記でもお伝えしたように、A型作業所は雇用契約を結んで働けるので、B型作業所に比べるとはるかに高いお給料をいただけます。

ステップアップしたい、という勇気も素晴らしいです。

ぜひハローワークや転職エージェントに相談してみてください。

  • ある程度体調が整っている人

家で休養していたけれど、ある程度治ってきた、でもいきなり一般就労に行くのはちょっと怖い、という方も、A型作業所から始めていいでしょう。

もしも「自分にはちょっとキツイ」と感じるのであれば、就労時間や出勤日数の調節もできます。

できればA型作業所の方に「お試し期間」を設けてもらって、自分がこのA型作業所で働いていけるのか、実際に作業をさせてもらうのもいいでしょう。

  • 18歳~64歳までの障害者・難病を持っている人

A型作業所はB型作業所にと違い、ある程度就労可能な人が通所する場です。

A型作業所は契約するためには利用者が障害を持っている、18歳~64歳まで働くことができます。

私のいたA型作業所は、シニア向けの求人も募集していて、64歳を超えていても作業指導員として仕事をしていました。

B型作業所に向いている人

  • 障害が重いが、一般就労まではできない人

B型作業所に通所している方は、難病指定されている方が多くいらっしゃいます。

また就労経験があっても年齢・体力的に一般企業が難しい、就労移行支援事業に通所した結果、B型作業所の方が合っているという場合、さらに50歳以上の方、障害基礎年金1級の方が利用条件に当てはまります。

A型作業所とB型作業所の違いは上記でもお伝えしたように、賃金に差があることが大きいですが、「週に1度でも外に出て、作業をしたい」といいう方はB型作業所の方が向いているでしょう。

  • 医師の診断が下りた人

無理をしてB型作業所と契約をしても、それで障害が重くなったり働けなくなったりしては本末転倒です。

B型作業所に行きたい、と考えている方は、医師に相談して、就労継続支援の許可をもらい、そこからB型作業所を探しましょう。

  • いずれステップアップして、A型作業所→障害者雇用・一般就労を目指したい人

今はまだ障害が重く、フルで働くのは無理でも、いずれA型作業所に通所し、障害者雇用や一般就労を目指したい、という前向きな思考を持っている方もB型作業所は適しています。

はじめは慣れなくて体調も整わず苦労するかもしれませんが、一般(障害者)雇用を目指そう! という気持ちはきっといずれ役に立つと思います。頑張ってください。

【まとめ】A型作業所とB型作業所の違い、分かりましたか? 自分にあった作業所を選びましょう!

A型作業所とB型作業所の違い、A型作業所に向いている人、B型作業所の方が向いている人などを紹介しました。

「自分はどちらに向いているか分からない」という方は、主治医やハローワークの障害者専用窓口担当の方、支援員など、様々な人に相談して決めるのも手です。

自分に合った作業所が見つかるといいですね。