障害があり一般就労が難しい、まだフルタイム勤務は無理、という人たちのため、A型作業所、B型作業所があります。
中には「A型とB型ってどんな違いがあるの?」と疑問を抱いている人もいるでしょう。
今回はA型作業所とB型作業所の違い5選、A型作業所、B型作業所のどちらが良いかを紹介していきます。
A型作業所とB型作業所の違い5選
A型作業所、B型作業所、似ているようでまったく違います。
両者の特徴、違いを紹介します。
雇用契約
まずA型作業所は利用者と雇用主の間で雇用契約を結んでいるのが最大の特徴です。
そのため最低賃金の給料は保証され、有給休暇などの福利厚生もあります。
もしもA型作業所を退所した際も、一定期間通所していれば雇用保険が出ます。
体調不良による欠勤や早退にも寛容ですが、あまり休み過ぎると休養を勧められる、最悪の場合雇用契約満了で退所、というデメリットもあります。
一方のB型作業所は雇用契約を結んでいないので、「工賃」と呼ばれます。
B型作業所は工賃の低さが問題で、一か月休みなく通所したとしても2万円いただければ上等、といったところ。
B型作業所は障害が重い人が通所している場合が多く、週1日、2時間勤務といった超短時間労働でも構いません。
本人が「今日は無理」と思ったらすぐ休めるのはB型作業所ならではのメリットです。
雇用形態と目的
A型作業所の目的は、利用者が業務をしながら生産活動を行い、賃金を頂く場です。
雇用形態はパート・アルバイトがほとんどで、業務成績によってはA型作業所で一般就労する人もいます。
対してB型作業所は社会参加や自己実現を目指し、指導を受けながら働く場です。
雇用契約を結んでいないのでパート・アルバイトといったくくりはありません。
仕事内容
A型作業所もB型作業所も、作業自体は似ているものがたくさんあります。
パソコンを使った業務や清掃業務、製造、パッケージング、加工など様々な業務があります。
B型作業所は主に軽作業が多く、生産性はあまり重視されません。
自分のペースでできる範囲の作業をする作業所が多い印象です。
受け入れ条件
A型作業所型の場合は、障害の程度、種類に応じた適正評価、制限があります。
そのため「この人はこの作業所に合わない」と思われたら不採用になる可能性もあります。
B型作業所は本人の意思、目標を第一に考え、社会参加や自立支援を助けるプログラムが作成されます。
B型作業所で不採用はあまり聞きませんが、症状が重く、医師からも「まだ働くのは早い」と判断されたのであれば「症状が落ちついたらまた応募してください」と言われることもあります。
賃金の違い
前述したように、賃金に大きな違いがあります。
通常のA型作業所では週5日、5~8時間勤務が一般的です。
最低賃金を払う義務がありますので、一般就労とはほど遠いですが、お給料はもらえます。
私の場合、週5日5時間勤務、欠勤なしの場合で8万強でした。
地方ですので最低賃金が低く、この程度の金額です。
都市圏に行けば最低賃金が上がるのでもう少し上がるでしょう。
対してB型作業所は本当にお小遣い程度の金額しか得られません。
それでもB型作業所に通所するのは「引きこもりになりたくない」「少しでも社会とつながっていたい」と希望している人がいるからです。
A型作業所、B型作業所、どちらがいい?
A型作業所とB型作業所の違いを紹介しました。
ではふたつの作業所、どちらが良いかを考えますよね。
あなたの症状や家庭状況などによって違いがありますので一概には言えませんが、「こう考えているならこちらの作業所」と思って下さい。
賃金をいただきたいのであればA型作業所
「B型作業所の工賃なんかでやっていられるか!」と思う人はA型作業所が向いています。
極端なことを言ってしまえばB型作業所は社会に出るためのリハビリ施設のようなものなので、お金目的で入所する人はほとんどいません。
賃金を考えるのであればA型作業所にしましょう。
体調が不安定な人はB型作業所
まだ体調が不安定で、5時間を週5日も働くのは無理、という場合はB型作業所をおすすめします。
工賃は安いですが、マイペースで通所・作業ができますのでストレスを感じることなく通所できます。
B型作業所に通所している人の中には「昼夜逆転しないために通所している」という人もいます。
規則正しい生活を送ることも障害者にとっては大切なこと。
体調が安定しない人はB型作業所にしましょう。
将来的に一般就労や障害者雇用を目指すのであればA型作業所
まだ病気が落ち着かないけれど、将来的には一般就労や障害者雇用を目指すのであれば、A型作業所を選択しましょう。
A型作業所の中には学習しても可能な作業所もあります。
パソコン業務のA型作業所であれば、簿記検定などの資格を取得すれば履歴書に書けます。
将来のことを考えているのであれば、A型作業所の方が近道と言えます。
一般就職が難しい人はB型作業所
B型作業所にも様々な人がいて、身体、精神、知的などの障害を抱えています。
中にはどうしても一般就職は難しい、という人もいます。
けれど引きこもっていても楽しくありません。
人生長いのですから、短時間でも何かしらの作業をして、誰かとおしゃべりをする時間が必要です。
一般就職は難しい、またはまだ遠いという人はB型作業所をお勧めされることが多いでしょう。
まとめ
A型作業所とB型作業所の違い5選と、どちらが良いのかを紹介しました。
A型もB型もメリット・デメリットがありどちらが良いとは言えません。
自分の障害、今の症状、自分の気持ちなどを考えて、どちらの作業所が向いているか、考えてみましょう。
分からない場合は家族や医師に相談するのもいいですね。
自分に合った作業所が見つかることを願っています。