A型作業所は障害がある人が働く職場です。
雇用契約を結んでいる以上、A型作業所と利用者は「仕事場」と「社員」でもあります。
いくらA型作業所がゆるいルールを設けていたとしても、怒られる場面はあります。
私も何度も見てきましたし、怒られた経験もあります。
今回は、A型作業所に通所中の人が怒られる場面5個、対処法6個、してはいけない対処法4個を紹介します。
A型作業所に通所中、怒られる場面5個
誰でも仕事をしているうえでミスをします。
それは健常者も障害者も変わりません。
A型作業所で怒られるのは、どういった場面なのでしょうか。
- 遅刻、早退、欠勤が多い
遅刻や欠勤にある程度寛容なのが、A型作業所です。
体調を整えるのも利用者の仕事と言えますので、あまりにも欠勤や早退が多いと、サービス管理責任者や指導員から怒られる場合もあります。
A型作業所はある意味気楽な職場なので、サボることに対する罪悪感が薄れてしまうことがあります。
そのためサボり癖がついてしまい、限界を越えた社長から「もう来なくていい!」と怒られて辞めていった人もいました。
- 同じことを何度も失敗する
これはA型作業所、サービス管理責任者や指導員の考えによって違いがあると思います。
同じことを何度も失敗すると、怒られることもあります。
しかしこれは稀なケースだと思います。
何故なら、それができないからA型作業所にいる可能性があるからです。
例えばですが、発達障害の方は、よく忘れものをしてしまったり、どこにものを置いてしまったかを忘れたりすることがあります。
もちろん遅刻の連絡はしているのですが、それを責めることは障害を責めることになるのでは、と考えます。
サービス管理責任者だって人間ですから、同じことを何度も失敗することについ苛立って、怒ってしまうのかもしれません。
これについては、怒る方が間違っているのではないか、と考えます。
- 誰かを誹謗中傷する
人間誰だって相性があるので、A型作業所に通所している限り、人間関係は避けられないことです。
そこを上手く付き合っていくのが社会人であり、A型作業所で得られるスキルでもあるはずです。
誰かを誹謗中傷することは、健常者でも障害者でもやってはいけないこと。
見つかれば怒られるのは当然です。
以前在所していたA型作業所では、ある利用者が自分のTwitterで利用者の悪口を書きまくっていることが判明し、上司にこってり絞られていました。
その後そのアカウントは鍵アカになってしまったので、多分いまでも悪口を書いているんだろうね、と言い合っていました。
- ミスを責任転嫁する
これも健常者、障害者関係なく怒られることですが、ミスをしてしまって、「でも誰々さんが……」と責任転嫁をすれば、誰だってその人を怒るでしょう。
ミスを起こしてしまって焦ってしまったのかもしれませんが、そういう人は職場に居づらい立場に自分を追い込んでしまいます。
- ミスをしても謝らない
これは前職のA型作業所で見ていたのですが、ミスをしても絶対に謝らない人が非常に多かったです。
ミスをするとまずミスを誰にも報告しない、自分でミスを直そうとする、できなくて他の人に頼る、といったパターンを取る人ばかりでした。
私としては、さっさと謝って皆でカバーし合えば簡単に終わったことなのに、変に自分に自信を持っているから、頭を下げたくなかったのでしょうね。
怒られた場合、対処法6個
怒られてしまった……落ち込みたくなる気持ちは分かります。
では実際に怒られてしまった場合、どのような対処法があるのか。6個紹介します。
- ミスを報告する
社会人の基本は「報告・連絡・相談」です。
ミスを発見した場合、すぐに指導員に報告をして、指示を仰ぎましょう。
特に社外に対するミスをしてしまった場合は、一刻も早く対応が必要な場合がありますので、変に隠し立てせず、報告をしましょう。
- 謝罪する
報告が終わったら、きちんと謝罪しましょう。
これも社会人の常識ですよね。
「すいませーん」で軽く終わらせずに、「これこれが間違っていました。以後注意します」ときちんと頭を下げましょう。
きちんと反省していることを示せば、支援員も分かってもらえます。
- 言い訳をしない
ついつい言い訳をしてしまいたくなりますが、ミスに対して言い訳をするのは悪印象でしかありません。
ミスをしたら、潔く「自分が悪かった」と認める勇気を持ちましょう。
- 障害の特性を知ってもらう
もしも自分の障害の特性でミスをしてしまったのなら、説明をしましょう。
アスペルガー症候群の方が通所していましたが、電話応対がどうしてもできない、と非常に悩んでいました。
あまり障害に理解のない上司が「社会人は電話応対が出来て当然」といった頭の固い人だったので、電話応対も業務になってしまいました。
その人が電話当番になると、緊張しているからか当然しどろもどろ。
メモを取って、と言ってもそれすら思い出す余裕もないのでしょう。
結局誰かが電話を受けとって応対していました。
さすがに見かねたサービス管理責任者が上司に相談し、彼は電話応対からはずされました。
障害の特性によってできないことはあって当然です。支援員の中には、障害の特性についてあまり詳しくない人もいます。
同じミスを繰り返してしまう場合、障害の一環でできないのかもしれません。
医師に相談するか、支援員と話し合いの席を設けるようにしましょう。
- 常にメモを取る
ミスをなくしたい、という人は常にメモを持ち歩きましょう。
誰でも入社した頃はそうだったはずです。私も毎日メモを取って、家で復習するようにしていました。
いま考えると、A型作業所でそこまで気合を入れる必要はあったかな? と思わなくもないですが、メモを取ること自体は悪いことではありません。
「頑張って仕事を覚えよう」という意思を周囲にも見せられます。
- 気持ちを切り替えて仕事に臨む
精神、とくにうつ病がひどいときは、ちょっとした注意でも落ち込み、体調を崩し、欠勤するということもありました。
極端に自分を責めて、自分で体調不良を引き起こしていたのですね。
どれだけ後悔しても、ミスはなかったことにはなりません。
落ち込む気持ちは充分に理解できますが、ここはパッと気持ちを切り替えて、次の仕事ではミスをしないようにしましょう。
- 支援員に相談する
あまりにも怒られる場合、それはときとしてパワハラになっている場合があります。
前職でもそういう上司がいて、そのおかげで辞めていった人も多くいました。
「何だか目の敵にされているような気がする」と感じたら、思い切って支援員に相談するようにしましょう。
もしかしたらパワハラをしていることに気づいていないのかもしれません。
体調を崩してしまってからは遅いので、怒られる回数が人より異常に多い、という場合は、誰かに相談するようにしましょう。
怒られる場合、してはいけない対処法4個
怒られてしまった、むしゃくしゃする、落ち込んでしまう……。人によって感情は様々ですが、怒られてしまった際、してはいけないことを4個紹介します。
- 逆上する
怒られることに対して「キレて」しまうのは絶対NGです。
職場の雰囲気も最悪になりますし、根本的なミスの解決にもなりません。
反対に怒った人、怒られた人との関係性も悪くなるでしょう。
ミスは自分で責任を取る。これは健常者も障害者も必要なことです。
- 泣く
女性に多いのですが、泣かれるともう上司は何も言えません。
現在はパワハラ、モラハラ問題が大きく取り上げられるので、少しキツく言ってしまい、それで泣いた、その人が「パワハラだ」と感じたら大問題になるかもしれません。
そもそも社会人ですから、職場で泣くことは感心しません。
どうしても泣きたいなら、自分の家に帰ってからにしましょう。
- やる気のない態度を取る
怒られたことで仕事に対する意欲をなくし、やる気のない態度を取る人がいますが、これは周囲も迷惑な行為です。
その人の仕事を誰かが肩代わりしなければいけないのですから。
明らかに機嫌が悪そうに仕事をしていると、その空気は職場内にも伝染して、何とも嫌な雰囲気になります。
怒られることをしたのは自分です。
素直にミスを認め、気持ちを切り替えて仕事をしましょう。
- 勢いでA型作業所を辞める
これは実際にあったことで非常に驚いたのですが、ある利用者が何がしかのミスをして、相談室でお説教? をされていました。
終わったのでしょう、相談室から出てきた彼は、猛然と机に置いてあったものを段ボールにしまっています。
周囲の人が驚いて「何をしているの?」と聞くと「もう辞めるから」と言って仰天しました。
実際、次の日から彼は通所しませんでしたし、周囲に挨拶も何も言わずに去りました。
勢いで会社を辞めても、後悔するのは自分だけです。
間違ってもやけっぱちで仕事を辞めることがないよう、落ち着いてください。
最後に
A型作業所に通所中、怒られることはあるのか、どんな場面で怒られるのか、対処法などを紹介しましたが、いかがでしょうか。
仕事をしている以上、小さなミスから大きなミスまで様々なことがあります。
自分がミスをした場合はきちんと謝る、周囲がミスをしてしまった場合は、できる限りフォローする。
これが人間関係を潤滑にするポイントだと思います。
怒られないように仕事をする、のではなく、怒られてもきちんと反省する気持ちを持つようにしましょう。
以下の記事では、A型作業所で働くまでのステップについて解説しています。