「障害者だけれどフルタイムで働きたい!」「今のお給料では生活できないので、8時間フルタイムを希望!」。事情は人それぞれあります。
今回は、障害者雇用はフルタイムで働けるのか、また障害者雇用がフルタイムで働く難しさも紹介します。
障害者雇用でフルタイム勤務はできる?
障害を持っていてもフルタイムで働きたい。働いて充足感を得たい。
そんな人たちのために、企業は障害者雇用でフルタイム勤務をしてくれるのでしょうか。
紹介していきます。
障害者雇用の勤務時間は週20~30時間
自身も今の会社に落ち着くまでにはたくさんの障害者雇用の求人を閲覧しましたが、ほとんどの場合、1日4~6時間の勤務、20~30時間勤務でした。
つまり8時間フルタイムはほとんどないのが現状です。
障害者でも一般就労で入社すればフルタイム勤務ができるのですが、障害者雇用になると配慮として勤務時間が短いことは大いにあることです。
フルタイム勤務の場合、給料はどのくらい?
大雑把な計算ですが、給料について紹介します。
週20時間未満の場合、身体障害者はおよそ67.000円、精神障害者は51.000円。
週20~30時間未満の場合、身体障害者は86.000円、精神障害者は74.000円。
フルタイム勤務の30時間以上になると、身体障害者は248.000円、精神障害者は18.9000円程度になります。
あまり大声で言われないことですが、給料が高い障害者雇用の場合、企業は身体障害者を雇用したいと考えているそうです。
やはり精神障害者の場合、突然体調不良に陥ったり欠勤をしたりしてしまうので、信頼がおけないということでしょうか。
自身も精神障害者なので、この点は納得がいかない部分です。
障害者雇用でフルタイム勤務は少ない
障害者雇用でフルタイム勤務を募集している企業が少ないのが現状です。
企業側としては「フルタイムで働けるのなら、一般就労ができるのでは?」といった考えなのかもしれません。
確かにそうですが、障害者としての配慮をしてほしい、その場合一般就労では難しいと考える方が障害者雇用でフルタイム勤務を考えている方がほとんどです。
また先述したように障害者雇用でフルタイム勤務の求人は少ないので、応募が殺到することが多いようです。そのため応募しても応募しても不採用続き、ということがあります。
金銭面を考えてフルタイム勤務を考えているのであれば、副業をするなどしてフルタイム勤務でなくとも生活ができるように工夫をしてみましょう。
もちろん無理は禁物ですよ。
障害者雇用でフルタイム勤務が難しい理由は?
先に紹介したように、障害者雇用でフルタイム勤務は非常に少なく、難しいことです。
しかしそれ以外にも障害者雇用でフルタイム勤務が難しい理由がありそうです。
詳しく紹介します。
体調を崩しやすい
休養して症状が安定または寛解した場合、いきなりフルタイム勤務は危険です。
元気そうに見えてもまだフルタイムで働ける準備が整っていない可能性もあります。
はじめは楽しく仕事をしていても、次第に疲れてしまってストレスが溜まり、体調を崩してしまうこともあり得ます。
会社側としても体調を崩して即退職、となってはそれまでにかけた時間とコストが無駄になってしまいます。
障害者雇用、特に精神障害者のフルタイム勤務が少ないのはそういった理由からだと考えられます。
フルタイム勤務の求人が少ない
先にも紹介したように、フルタイム勤務の求人がないので応募したくともできないことが多々あります。
フルタイム勤務をしたいのならば、まずはA型作業所、障害者雇用または一般就労の道もあります。
少し回り道になってしまいますが、経験と自信をつけることで「私は障害者だけれど、きちんと仕事をして働ける。フルタイム勤務でも耐えられる」と堂々と言えますよね。
年齢が上がるとそのぶん転職が難しくなるので、フルタイム勤務を希望するのであれば自分の体調や医師と相談して、少し時間をかけてでも一般就労を目指すことも検討してみてはいかがでしょうか。
離職率の高さ
ある調査によると、障害者雇用の1年後の定着率は6割と言われます。
これはかなり低い数値ですので、企業としてもできるだけ障害者は入れたくない、けれど法律で決められているので仕方なく障害者雇用をしている、といった事情があるのかもしれません。
フルタイム勤務をしてもすぐに辞めてしまっては会社に迷惑がかかることはもちろん、自身の履歴書にも傷がついてしまいます。
短期間で仕事を変えては「この人はすぐに辞めてしまうのでは」と考えられ、採用が難しくなってしまうのです。
「生活のためにもフルタイムを」と考えている方には、障害年金や生活保護など福祉サービスを受けられる可能性もあります。
お近くの障害福祉課に相談してみましょう。
ブラック企業の可能性も……
はじめから週40時間勤務OK、といった企業もあります。
すぐに応募したくても、少しその会社のことを調べてみましょう。
障害者雇用は会社側にとってリスクが高いものです。
上記に紹介したように、合理的配慮が必要で、欠勤や退職のリスクもあります。
それでも良いというのは、よほど障害者雇用に慣れているか、ブラック企業の可能性もあります。
前者であれば問題ないのですが、ブラック企業であれば大問題です。
ようやく仕事ができるまで体が安定したのに、仕事量の多さ、人間関係の抑圧などでストレスが溜まり、再び症状が重くなることも考えられます。
安易に「フルタイムだから」と飛びつかず、じっくりと会社のことを調べてから応募することをおすすめします。
まとめ
障害者雇用でフルタイム勤務はできるのか、また障害者雇用でフルタイム勤務が難しい理由も紹介しました。
障害者雇用は、自身の体調を管理しながら仕事をすることがほとんどです。
そこで無理をして「絶対にフルタイムでなければいけない」と考えていても、体がついていかないと努力も無駄になってしまいます。
フルタイム勤務を希望する方は、ハローワークや障害者専用の転職サイトなどを上手に活用して転職活動を行ってください。
障害者雇用で働くには、転職エージェントの利用がおすすめです。