障害者雇用でも結婚はできるものなのか?

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障害があろうがなかろうが、恋愛は自由ですし結婚もできます。

しかし中には「障害者は結婚できない」という人もいます。

そこで今回は、障害者雇用は結婚できるのか、また反対されないための「結婚へのルート」を紹介します。

障害者雇用でも結婚できる?

小説やマンガの世界では、恋愛は壁がある方が盛り上がるものですが、現実世界ではできる限り壁は低い方が良いですよね。

障害者雇用で結婚はできるでしょうか。

結婚自体は問題なくできる

結論からですが、障害者雇用で結婚することは可能です。

筆者の知人にも障害者雇用で結婚した人が何人もいます。

中には夫婦両方が障害者、というカップルもいます。

「障害があるから結婚できない」「障害者雇用では結婚できない」とネガティブに捉えなくとも大丈夫です。

経済面での不安

障害者雇用でも結婚は可能ですが、おそらく皆さんが心配していることが「収入面」でしょう。

確かに障害者雇用は一般就労の半額とも言われ、就労時間も短いことからどうしても生活が苦しくなってしまいます。

経済面の不安は健常者のカップルでも同じだと思います。

出来る限り節約した生活を送ることで結婚生活も破綻せずに続けられます。

両親の反対

「両親が障害者について理解していないので反対されている」「『障害者雇用では生活できない』と言われ結婚を許可してくれない」というカップルもいるでしょう。

確かに両親の不安はもっともなことです。

一緒になったのはいいけれど、経済面での不安、症状が悪化して休養を取らなければいけなくなった場合、誰がフォローするのか、今までとまったく違った生活環境になじめるのか……。

ご両親は決して「障害者だから」と反対しているのではなく、不安や心配の種が大きいことから反対している可能性があります。

確かに無計画に「結婚します!」では「本当に大丈夫?」と心配させてしまうだけです。

「こういう風に考えているので、ふたりでも生活していけます」と具体的に話をすることで納得が得られやすくなります。

両方が障害者同士の場合

ふたりともが障害者雇用の場合、さらに問題は深くなる可能性があります。

前職で発達障害を抱えているふたりが結婚したとSNSで知りましたが、彼らがどのように生活をしているのかは不明です。

ふたりともが障害者雇用の場合、経済面は大きな問題です。

ただでさえ低い給料の中、どちらかが倒れた、または両方が共倒れしたとなっては、食べることさえおぼつかない生活になってしまいます。

夫婦ふたりともが障害者雇用である場合は、より綿密に対策を考えておく必要があります。

障害があっても結婚したい! 反対されない方法は?

恋愛は自由なので、障害があってもなくても結婚はできます。

しかし両親や親戚に反対されて困っている……。そんな方に、出来る限り反対されない対処法を紹介します。

生活費をシミュレーションする

何となく、勢いなどで結婚するのはとても危険です。

健常者であれば何とかできることでも、障害者雇用での結婚は、稼ぎ頭が倒れたらあっという間に路頭に迷ってしまうかもしれません。

結婚する前に

・ふたりの手取り合計金額

・家賃

・食費

・光熱費

・水道代

・ガス代

・貯金

等など、細かく計算して「ふたりの給料でやっていけるか」を計算してみましょう。

地域によって金額に差があるので、ネットなどで平均値を調べながら書き出していきます。

「これでやっていけそう」と思えたなら、ご両親に相談して、具体的に計算したものを見せてあげてください。

「しっかりと考えている」と安心してもらえるかもしれません。

障害者グループホーム

「どうしても生活費が足りない」という場合は、障害者グループホームに居を構えるという方法もあります。

障害者グループホームの中には夫婦で入居OKのところもあります。

格安の家賃で朝・夕も最低限の金額で食事が提供されるので、A型作業所や障害者雇用で就労している方も入居しやすい場所です。

グループホームによっては他の入居者とコミュニケーションを取ったり食事を共にしたりといったこともあります。

コミュニケーションを取ることが苦手な方は、ほとんどルールなし、帰宅時間が遅くなる場合は管理人に連絡すればOKという緩い規則のグループホームもあります。

一定の生活費を稼げる職に就く

障害者雇用でも雇用形態が「正社員」の職に就くようにしましょう。

パートやアルバイトでは家が借りられないなど不便なことが多く、また突然の人員整理で解雇、という場合、まず切られるのはパート、アルバイト労働者です。

障害者雇用は県の最低賃金の企業が多いのですが、中には昇給やボーナスが支給される企業もあります。

無理なくできる限りお金を稼げるような職を探すようにしましょう。

扶養に入ることで支出を減らす

片方が健常者の場合、扶養に入ることで支出が大幅に減らせます。

これは必ず利用するようにしてください。

扶養に入ることで社会保険、医療費負担、年金納付などが抑えられるので大変お得になります。

また精神障害者の場合、医療費負担が1割になる「自立支援医療」を必ず利用しましょう。

両親と同居する

「結婚したいけれどどうしても生活費が足りない」。そういう場合はどちらかの両親と同居するのもアリです。

「はじめはふたりきりでラブラブ生活をしたい!」と思う方もいるでしょうが、お金は大切なので無理をしても意味がありません。

むしろ同居している間に貯金をし、生活ができるようになったら自活する方が良いでしょう。

また体調が悪くなった場合でも、親がいる場合は介助をお願いできるので障害を持っている方にとってもメリットになりますし、同居する側も多少の生活費をもらい、家事を手伝ってもらえたらwin-winの関係が築けることになります。

どうしても生活が難しい場合は、同居も視野に入れておきましょう。

障害年金はできる限り「貯金」

多くの障害者は障害年金を受給していると思います。

「障害者雇用の給料と障害年金でやり繰りできるのでは」と思う方もいるでしょう。

実際にそのようにして生活している方もいます。

しかし筆者の考えではそれはかなり危険な綱渡りのように感じます。

報道でよく聞かれるように、障害年金の基準はかなり厳しくなってきており、いつ等級ダウン、または支給停止になるか分かりません(永久認定の場合は別)。

そのとき慌ててしまって、さらに問題が大きくなることも考えられます。

筆者の場合、障害年金はほとんど手を付けず、貯金に回しています。

田舎の車社会なので、いつ車が壊れて買い替えるか分からない、猫がいるので病気になった場合、手持ちの金がないと治療も受けさせられない、との考えからです。

もしも将来子どもが産まれたら、養育費が必要になります。

学校教育の無償化が進められていますが、それでも最低限の出費は必要なので、将来のためにもできる限り障害年金は手を付けずに貯金できるような仕事を探すことをおすすめします。

まとめ

障害者雇用でも結婚はできるのか、また反対されないための対処法を紹介しました。

恋愛は自由なのでふたりの気持ちが合えば結婚はできます。

しかし結婚はゴールではなくスタート。最も付きまとうのがお金の問題ですよね。

ハンデを抱えている身で結婚生活を送るのはそれなりの努力や工夫が必要となります。

安易に婚姻届を出さず、しっかりと将来を話し合った上で、籍を入れるようにしてください。