障害者雇用って、使い捨てなのか?

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「障害者雇用は所詮使い捨て」と聞いたことはありませんか? 

実際、企業にとって障害者雇用者には合理的配慮をしなければならないし、突然欠勤するなど、厄介な存在と思われているかもしれません。

今回は、障害者雇用は使い捨てなのか、その実態と対策について紹介します。

障害者雇用は使い捨て? 実態は?

頑張って就活して障害者雇用で働いているのに、モノのように使い捨てされれば腹が立ちますよね。筆者の経験も交えて紹介します。

企業は障害者を雇用する義務があるのです!

何度も紹介していますが、企業は従業員を43.5人以上雇用している場合、障害者を1人以上雇用する義務があります。

義務を果たしていない企業にはハローワークから行政指導が行われますが、改善が見られない場合もあります。その場合は厚生労働省が企業名を公表します。

また実際には雇用していないのに「障害者を雇用している」と嘘の申告をした場合、罰金刑を命じられることもあります。

国としても障害者に雇用の場を与えようと努力しているにもかかわらず、実行していない、または「とりあえず雇ったから」とほったらかし、というパターンが相次いで起こっているのが現実です。

研修終了で「クビ」!?

ネットで調べてみると、研修期間を終えたら「クビ」を言い渡された、という方がかなり多く存在しています。

これも企業が法律を悪用しているのでしょう。

「障害者を雇用したけれど言われた業務を遂行できない、すぐに欠勤する」などの言い訳を作って、追い出してしまうのです。

研修期間終了で雇用契約を更新しない場合、企業に罰則などは与えられません。

卑怯なやり口ですが、そこまでして障害者を邪魔者にしている企業は間違いなくブラック企業なので、自身の障害や症状を悪化させないためにも、そのような企業に勤めるのはやめたほうが良いでしょう。

次は障害者差別で使い捨てにされそうな場合の対策を紹介します。

障害者雇用は使い捨てじゃない! 対策はある?

「障害者は使い捨て」なんてひどい言葉を言われたら? 諦めて辞めますか? それとも闘う?

障害者が不当な差別を受けたり、企業に問題があったりする場合の対策を紹介します。

障害者生活センター・労働局に相談する

障害者雇用で就労する際、障害者生活センターに登録すると思います。

直談判でも構いませんが、なかなか言えないという方は第三者を通して問題解決へ取り組んでもらう手段があります。

また労務局へ相談するのも良い方法です。おそらく相談することによって是正勧告が出るので、今の環境よりも良い方向に行く可能性が高くなります。

しかしこれらの行為は強制力がありませんので、表向きは「はい、是正します」と言っても、実際は何も変わっていないということもあるので注意してください。

クローズ就労する

もう障害者を使い捨てにされるのはうんざり、という場合、クローズ就労という方法があります。

クローズ就労はその名の通り、障害を隠して一般就労することです。

主に精神障害の方がクローズで就労していることが多いです。

ただしクローズ就労は健常者と同じ量の業務をこなさなければいけません。途中で疲れて体調が悪化、とならないよう体調管理が必須になります。

在宅ワーク・フルリモートの仕事を探す

最近は在宅ワーク・フルリモートの仕事も増えてきました。

在宅ワークでしたら基本的に自宅で仕事をするので、仕事が与えられない、ということは少ないはずです。

また直接の話し合いは極力少ないので、使い捨てにされる可能性も低くなります。

在宅ワークは週に数回通勤する場合がありますが、フルリモートの場合は完全に在宅での仕事となりますので、少なくとも人間関係で悩む必要は皆無です。

しっかりと仕事をこなせば使い捨てにされることはほぼないでしょう。

ただし在宅ワーク、フルリモートの仕事は正社員ではなくパートや契約社員の雇用形態が多いので、その点は充分に検討した上で仕事探しをしてください。

スキル・資格を得る

使い捨てにされないためには、「この人がいないと仕事が回らない」という状況に持ち込みましょう。仕事で活かせるスキルを磨く、資格を取得するなどで「この人は障害があっても企業に必要な人材だ」と思われるよう、見返してやりましょう。

ただし仕事をしながら資格やスキルを習得するにはかなり大変なことです。

障害者を雇用している企業はたくさんあります。

ひとつの会社にしがみつかずとも、自分らしく働ける企業もきっとありますので、くれぐれも無理はしないように気をつけてください。

まとめ

障害者雇用は使い捨てなのか、その理由や対策を紹介しました。

「使い捨て」とはなんとも酷い言われ方ですが、口では言わずともそう思っている方はまだたくさんいるのでしょうね。

早くそのようなバリアが消えればと願わずにはいられません。

「どうせ自分は使い捨ての存在なのか」とふてくされたくなる気持ちもよく理解できます。

しかしできることもまだあります。

どうか諦めずに、自分でできることや他の人に相談して、問題の解決に向かって行ってください。