「障害」とひと言で言っても、世の中には数えきれない程病気や障害があり、その方によって症状も障害も違います。
そこで今回は障害者の方別に、おすすめの働き方を紹介します。ぜひ就活に役立ててください。
身体障害者におすすめの働き方
四肢不自由や視覚・聴覚障害などの障害がある身体障害者。
どのような働き方が向いているのでしょうか。
身体障害者はフルタイム勤務がおすすめ!
身体障害者は精神障害者に比べて、身体の障害ですので突然症状が悪化した、障害が重くなったということにはなりにくい障害です(もちろん障害によって違いはあります)。
身体はハンデがあるけれどそれ以外は健康、と思っている方はぜひフルタイム勤務で働きましょう。
ここだけの話ですが、障害者専門の求人で「やけに給料が高いな」と思う企業は、実は身体障害者を対象にしているのだとか。精神や知的と違い突発的な欠勤や早退がないからでしょうね。
正社員登用の可能性も高い
身体障害者の場合、雇用形態が派遣やパートであっても実績や経験によっては正社員登用になる可能性が高い傾向にあります。
もちろん精神障害者や知的障害者でも正社員で働いている方は多数います。しかし先述したように突然体調を崩して欠勤、退職が少ないであろう身体障害者が有利になっていることは間違いありません。
デスクワークを中心に仕事を探す
身体障害者に向いている仕事は、それぞれの症状や希望職種によって違いますが、どちらかと言えばデスクワークが向いていることが多いでしょう。
もしも車いすが必要な障害がある場合、企業はその障害者が仕事をしやすい環境を整える合理的配慮をする必要があります。
面接の際には「この点を配慮してほしい」という点を伝えるようにしましょう。
精神障害者におすすめの働き方
次は精神障害者におすすめの働き方です。筆者も精神障害者で就労しています。どのような働き方が向いているのか、紹介します。
時短勤務などの融通がある企業
精神障害者は「昨日までは元気だったのに、今日は死んだ魚のような目をしている」ということがよくあります。
季節や気圧、天候によって左右されることが多い病気(欝や双極性障害など)を抱えている方が多いので、ひどいときはベッドから動くこともできない程症状が重くなる場合があります。
そういった精神障害者が仕事を探す際は、時短勤務、テレワークなどある程度の融通がきく会社がおすすめです。
何日も欠勤を繰り返し、ようやく復帰できた際、他の社員の冷たい視線に耐えるのはかなり苦痛です。ですが精神障害に理解のある企業ならば、そういったストレスからはある程度解放されるでしょう。
黙々と作業をする仕事
精神障害に向いているであろう仕事。もちろん人によって性格や好き嫌いがあるように、一概に「精神障害者はこの仕事が向いている」とは言い切れません。
しかしどちらかと言えば、あまり体力を使わないデスクワークの仕事が向いている可能性があります。
また企業によっては在宅ワーク、フルリモートの仕事もあります。黙々と自分のペースで作業をしたい方にはぴったりの仕事です。
しかしそういった仕事は応募が殺到するため、採用をもらうのはかなり壁が高いことも知っておきましょう。
デスクワーク、単純作業、補助作業がおすすめ
先述したように精神障害者は体力仕事よりもデスクワークがストレスなく仕事を続けられる可能性が高い仕事です。
またデータ入力などの単純作業、補助作業もおすすめです。
「補助作業なんて退屈で嫌だ」と思う方もいるでしょう。
しかし補助作業も立派な仕事です。誰かがしなければ回らない仕事をサポートすることで、全体の作業効率がアップしたり期限よりも早く仕事が完了したりすることもあります。
また突発的な欠勤や早退が多い方は、大きな案件を持たずにサポート役に回った方が、もし症状が重くなった際にも他の方に仕事をお願いできます。
知的障害者におすすめの働き方
知的障害者で障害者雇用はなかなか求人が無いのが現状です。
しかしまったくない、という訳ではありません。どういった働き方が向いているのか紹介します。
まずはA、B型作業所などで経験を積む
知的障害者の方がいきなり障害者雇用に応募しても不採用になる可能性が高いでしょう。何度も不採用になると就労に対するやる気がなくなり、ニートになってしまう可能性も。
知的障害者の方におすすめの方法は、まずはA型またはB型作業所で経験を積み、履歴書に書けるようなスキルを磨くことがポイントです。
「A型(B型)作業所の仕事は簡単すぎてスキルを磨くなんてできない」という方もいるでしょう。その場合は「〇年働いた」という実績を作りましょう。無遅刻無欠勤が一番アピールしやすいですが、体調が整わず欠勤することもあるでしょう。しかしその点はあえて伏せて「〇年働きました」「この点を褒められました」といった、些細なことで構いませんので自分を売り込むことが大切です。
日本人は謙遜しがちな性格の方が多いのですが、就活で謙遜ばかりしていてはいつまでも採用は勝ち得ません。時には自分をアピールして「私をこの企業に入れると、こんな得があるよ」と自分を売り込んでみてください。
単純作業がおすすめ
知的障害者の方におすすめの作業は、精神障害者と同じく単純作業がおすすめです。
製造業や工場などは単純作業を繰り返し、毎日の業務に変化がないことがほとんどですので、一度仕事を覚えると自分から行動を起こせるはずです。
サポート役で本領発揮?
精神障害者の方もそうですが、サポート役も知的障害者の方に向いている働き方です。
そもそも企業自体が障害者に大きな案件を任せることが少ないので、自然に業務のサポート役に回ってしまうことがほとんどです。
それをラッキーと思うか、不満に思うかは本人の考えで違うでしょう。
しかしサポート役でも「ありがとう」と言われることは多いです。
それを励みに頑張っている方もいます。「サポート役?」などと敬遠せず、一度挑戦してみることもおすすめですよ。
まとめ
障害者に向いている働き方を、障害別に紹介しました。
簡単な紹介なので、人によってはまったく別の意見もあるはずです。
「障害者はこう」とひとくくりに言えないのが、障害の難しさでもあり、障害者への理解が進まない理由でもあります。
自分はどんな仕事に就きたいのか、自分ができそうなことは、どういった仕事なら長く続けられそうか。自分で考えたり誰かに相談したりして、仕事探しをしてみてください。