「障害者雇用は使えない」。
あまり大きな声では言われませんが、そう考えている企業は悲しいかな、まだ多くあります。
「使えない」と思われる理由はいくつかあるでしょうが、中には自分の努力で解決に至る道もあります。
今回は障害者雇用が使えないと思われる理由、またその対処法6選を紹介します。
障害者雇用は使えない?どうしてそう思われるの?
事実として、障害者雇用は障害の性質や病状によっては、一般就労に比べると同じような仕事が出来ないこともあります。
しかしそれを分かって企業は採用しているのです。
どうして「障害者雇用は使えない」と言われるのか、理由を紹介します。
どのような業務をさせていいのか分からない
企業が障害者について理解していない場合、どのような仕事を任せてよいか分からず、障害者をほったらかしにしている場合があります。
当然、仕事が任せられないと何もできないので「社内ニート」状態になってしまいます。
それが続くと「やっぱり障害者雇用は使えない」「何も仕事ができない」と思われてしまいます。
これは企業に非があるパターンですが、あなた自身も仕事を探す努力をすることで解決できるかもしれません。
遅刻、早退、欠勤が多い
障害者雇用で採用された方は、病院やリハビリなどの通院、季節や気圧の変わり目で体調を大きく崩しやすいなど、障害が一時的に悪化することもあります。
特にうつ病や双極性障害の方は気温、気圧の変化に弱く、その時期は身体を起こすこともできない場合も少なくありません。
仕方なく欠勤や早退をするのですが、それが一般就労者のひんしゅくをかってしまい「だから障害者雇用は使えない」と言われてしまうこともあります。
すぐに離職してしまう
障害者雇用の離職率は1年で3割とも言われています。
仕事が合わなかった、人間関係が悪かったなどの理由もありますが、ストレスで体調が悪化してしまった場合もあります。
企業としては時間を割いて仕事を教え、ようやく使える人材になってきたかな、という頃に辞められてしまっては大変なロスになってしまいます。
そういった背景から「障害者雇用(特に精神障害者)は使えない」と思われてしまう原因になります。
納期のある仕事を任せられない
私も精神障害者なのですが、いつ体調不良になるか自分でも分かりません。
そのため大きな仕事、この日までには絶対に納品しなければならない仕事などを任せるのは会社にとって不安材料のひとつなのでしょう。
チームで連携して作業をし、あなたが欠勤しても他の社員がフォローしてくれる体制なら安心ですが、そうでない場合は「あの人に任せたら納期に間に合わないかもしれない」との懸念から、大きな仕事や納期のある仕事をさせず単純作業ばかりさせる企業も少なくありません。
「障害者雇用は使えない」と言われないための対処法6選!
「障害者雇用は使えない」と言われる理由を紹介しました。
障害者という理由で「使えない」と十把ひとからげに扱われるのは癪に障りますよね。
ここからは、「障害者雇用は使えない」と言われないための対処法6選を紹介します。
障害と得手不得手を説明
面接でも説明したでしょうが、一緒に仕事をする同僚、先輩方にも「自分はこのような障害で、これが得意で、こういった作業は苦手です」と説明しましょう。
障害を話すことに抵抗がある方もいるでしょうが、言わなければ相手は分かってくれません。
双方の理解を得るためにも、自分のことはしっかりと説明しましょう。
「~してもらえるのは当然」と思わない
障害者の中には無意識に「自分は障害者だから~してもらえるのは当然」と思っている人もいます。
障害者を雇用するにあたって、会社側は合理的配慮をしなければなりませんが、「当たり前のこと」とは思わないでください。
会社は配慮をしてまでもあなたに来て欲しいと思っているのですから、感謝の気持ちは忘れないようにしましょう。
自分から仕事を探す
社内で放っておかれるのであれば、自分から仕事を探しましょう。
一番手っ取り早いのは、近くの先輩に「何かすることはありますか?」と訊ねること。
皆さん忙しいので、あなたに構っている余裕がないのかもしれません。
自分から動くことで「じゃあこれをお願いしようかな」と仕事を教えてくれるかもしれません。
それを繰り返すことで仕事を覚え、一人前の人材になれるのです。
積極的に仕事を探しましょう。
体調不良を隠さない
体調が悪くとも無理をして出社する方もいますが、あまりおすすめできません。
1日、2日で落ち着くのなら良いのですが、大抵の場合無理をすればするほど悪化してしまい、結果的に長期の休養を取らざるを得なくなった、という方が会社としては損失です。
体調が悪いときは無理をせず、遅刻、早退をするようにして早く体調を整えるようにしましょう。
陰口は無視が一番!
どれだけ頑張っていても障害者を邪魔者扱いする人や陰口を叩く人はいます。
これは一般就労でも同じですよね。
そんな人たちの相手をして神経をすり減らすのは時間の無駄。
陰口を言われている気配を感じても無視をして、自分ができることをコツコツ真面目に取り組んでいきましょう。
「この会社で長く勤められるか」を考える
これは入社前に考えることですが、「この会社で長く働けるか」をしっかりと考えましょう。
何度も転職を繰り返すと、履歴書を見た採用担当が「ひとつの所に落ち着かない人」と判断して採用見送りになってしまうこともあります。
体調が悪化したため退職するのは仕方のないことですが、大前提として「ここでずっと働ける?」と自問自答することも大切です。
まとめ
障害者雇用は使えないと言われる理由、その対処法を紹介しました。
障害者に対する偏見は少なくなったとはいえ、未だにひどい差別をする人、「これだから障害者は」といった考えをする人もいます。
しかしどうかそれに負けないでください。
「使えない」と思う人がいる一方で「この作業はこの人、頼りになるな」と思っている人もいるかもしれません。
紹介した対処法ですべてが上手くいくとは限りませんが、悩んでいる方は参考にしてみてください。
障害者雇用で働くには、転職エージェントの利用がおすすめです。