A型作業所に通所する人にとって、関心度が高いのが時給ですよね。
安い賃金で働くよりも、できれば高い方が良いに決まっています。
今回はA型作業所の時給や平均月収、時給アップの効果的な賃上げ交渉について紹介します。
A型作業所の時給はどれくらい？
A型作業所は具体的にどれくらいなのでしょう。
住んでいる場所によって大きな開きがありますが、平均的な値段を紹介します。
A型作業所の時給平均は「887円」
A型作業所の全国平均で換算した時給は「887円」でした。
もちろん東京、大阪などの都心部はもっと高いでしょうし、地方はこれよりも低い可能性もあります。
居住地の最低賃金がほとんど
A型作業所の時給は県の最低賃金に則っている所がほとんどです。
B型作業所と違い雇用契約を結んでいるので、確かにB型作業所のように「工賃月2～3万」ということはありませんが、それでも一般就労よりも低いことが分かります。
また通所時間もフルタイム勤務はほとんど無い、自身の体調を考えて4～6時間勤務という方も多いので、月収も安くなってしまいます。
A型作業所の平均月収は？
A型作業所の平均時給について紹介しました。
次はA型作業所の平均月収について紹介します。
A型作業所の平均月収は「78,975円」
A型作業所の全国平均月収は「78,975円」でした。
こちらも県や居住区によって差があります。
また突然体調を崩して欠勤したり、早退したりすることもあるでしょう。
有給があればそれを使うこともできますが、まだ有給が支給されていない、または使い切ってしまった場合は、時給から差し引かれることになります。
通所していたA型作業所では、季節によって体調が悪くなる、という人がいました。
おそらく月の半分は欠勤か早退・遅刻をしていたでしょう。
その月の給料はとても低かったでしょうね。
障害というハンデを持っている私たちは、いつ体調が悪くなるか、症状が重くなるか分かりません。
その中で8万にも満たない給料となると、障害年金や家族の援助が欠かせません。
交通費・通勤手当の支給
A型作業所によっては交通費、通勤手当が支給されることもあります。
私の居住区は車社会なのでガソリン代が支給されましたが、それ以上の金額の駐車料金を引かれていたので、結局のところマイナスとなっていました。
A型作業所で時給アップは狙える？効果的な交渉方法
「時給をあげて欲しい！」「こんな安い賃金じゃモチベーションが上がらない」と思う人もいるでしょう。
A型作業所で時給アップは狙えるのでしょうか。
もしもできるとすれば、どのようにアプローチをすればいいのでしょうか？
紹介していきます。
自分の勤務態度は？
いきなり上司に「時給を上げてください！」と交渉する前に、自身についてよく考えてみましょう。
遅刻や欠勤、早退などしていませんか？
職務態度はどうでしょう。だらけていたり、他の人とおしゃべりばかりして手が止まったりしていませんか？
勤務態度が悪ければ、どれだけ交渉しても「無理です」と突き返されるのがオチです。
A型作業所では自身の体調管理も仕事の内です。
欠勤・早退無し、業務態度も真面目、という人は、会社側から時給アップをすることもあります。
「自分はきちんと仕事に従事して、健康管理も行っている」と自信を持って言えるのであれば、上司に相談してみましょう。
アピールポイントをまとめましょう
A型作業所に通所して、何をしましたか？
もちろん単純作業を延々としてきた人にとっては、スキルと言えるものはないかもしれません。
しかし、たとえば調理補助の作業をしていたとして、「最初は〇分で〇個のお弁当を作っていましたが、今は〇個作ることができました」等。
パソコンを扱う事務仕事をしているのであれば、「こういうことができるようになりました」と、自身が成長したことをアピールしましょう。
この辺りは面接と同じですね。
ただやみくもに時給アップを求めても、上司からは「何で？」と思われるかもしれません。
できるようになったこと、やり遂げたことを挙げて、「この人になら時給アップしてもいいかな」と思ってもらえるようにアピールポイントを探しましょう。
勤務年数は？
通所を始めて1年未満の人が時給アップを求めても、認められる確率は低いと考えられます。
あなたよりもずっと長い間働いてきた人は、時給に関しては何も言わずに黙々と仕事をこなしているかもしれません。
通所を始めて2～3年は、時給アップはできないと諦めておく方が良いかもしれませんね。
契約更新月が狙い目
A型作業所は年に一度、契約更新月があります。
その際に「今後とも頑張りたいので、時給アップを検討してもらえませんでしょうか」と言ってみるのも手です。
契約更新月は時給アップをお願いするのにぴったりなタイミングです。
（時給上げて～）とモヤモヤするくらいなら、いっそ口に出して言ってみましょう。
サービス管理責任者に相談しよう
どうしても自分で時給アップの交渉ができない場合は、サービス管理責任者に相談してみましょう。
その際に「これからもここで頑張りたい」「会社に貢献したい」という意思を、サービス管理責任者から上司に伝えてもらうようにしてください。
サービス管理責任者は利用者と上司の中間管理職なので、うまく上司に伝えてくれるはずです。
どうしても時給アップが無理なら
時給アップのお願いをしてみたけれど、無理だと言われた。でも今の時給では納得できない。
その場合は、A型作業所にこだわらず、別の仕事を考えてみましょう。
障害者雇用という方法もありますが、短時間のパートもあります。
また自身の体調に自信がないという方も、アルバイトやパートから始めてもいいですね。
パートによっては、週1、2回、時間も4時間程度など、ある程度自由がきくことが多いです。
障害をオープンにするかは迷うところですが、オープンにして「できること・できないこと」を伝えておく方が、雇用主も検討しやすいでしょう。
まとめ
A型作業所の時給や平均月収、時給アップの交渉などを紹介しました。
基本的にA型作業所で時給アップはそうそうありません。
時給アップしたとすれば、あなたの実績が認められたということ。素晴らしいですね。
時給の交渉は難しいかもしれませんが、どうしても今の時給では無理、という場合は別の道を模索してみましょう。
以下の記事では、A型作業所で働くまでのステップについて解説しています。