超高齢化社会に突入している日本。
2025年には団塊の世代およそ800万人が75歳以上の後期高齢者になり、少子高齢化にさらなる拍車がかかると言われます。
人材不足を補うため、国は定年後も働ける制度を作ったり定年制度の廃止などを検討したりしています。
では障害者雇用で働いている私たちは、65歳以上になっても働けるのでしょうか?
障害者雇用で65歳以上働けるか、またそのメリットとデメリットについても紹介します。
障害者雇用は65歳以上でも働ける?
現代の65歳は昔と違い元気そのもの。
中には80歳を超えても働いている方もいます。
障害者雇用は65歳以上でも働けるのか、紹介します。
65歳以上の障害者雇用案件は多数あり
求人サイトを検索しましたが、65歳以上の求人は800件以上と多数の案件がありました。
マンション管理や夜間スタッフ、事務作業などの軽作業が多く、中には社員登用ありの企業もありました。
いま現在障害者雇用で勤めている企業が65歳以上の雇用をしているかどうかは、企業によって違います。
もしかしたら65歳で定年、という場合もありますので、この点については社内規定を見て確認しましょう。
もしかすると勤めている企業が「65歳以上は再雇用しない」という場合でも他に求人はあるので安心してください。
ただし新しい仕事を覚える必要があったり、人間関係を形成したりする必要があるので、その点で少し苦労するかもしれません。
定年制の廃止
先述したように、日本は超高齢社会。
働ける人材はどんどん少なくなり、2025年には国民の5人に1人が後期高齢者となります。
政府も少子化対策に尽力しているようですが、私的な意見を言わせてもらえればどこか空回りしているように見えます。
企業も人材確保に努めていて、定年制を廃止している企業もあります。
障害者雇用も例外ではありません。
「65歳を超えても働きたい」という意思があるのならば、体調管理に努めて長く働けるように心身の健康をコントロールしていく必要がありますね。
継続雇用制度について
継続雇用制度というものがあります。
定年後も希望に応じて雇用を延長する制度で、「再雇用制度」「勤務延長制度」のふたつに分けられます。
「再雇用制度」とは定年で一度退職扱いにしたうえで再雇用し、雇用を延長する制度。
「勤務延長制度」は同じく一度退職しますが、雇用形態を維持したまま雇用を延長するという制度です。
つまり障害者雇用の正社員なら正社員のまま、役職に就いていたならそのまま仕事内容が変わらず勤務を続けられる制度です。
再雇用制度の場合、一度退職したことになるので今までと雇用制度が変わる可能性があります。
正社員だったけれどパートになったりボーナスがもらえなくなったり。
デメリットもありますので、規約は必ず目を通しておきましょう。
障害者雇用で65歳以上働くメリット
障害者雇用で65歳以上でも働けるか、紹介しました。
次は65歳以上でも働くメリットについて紹介します。
一定の収入が確保できる
60歳になると受給資格期間が10年以上ある場合、老齢年金が受給されます。
しかし未納期間や免除、半額の申請をした場合年金支給額は減額されます。
65歳以上でも仕事をしていると、収入が得られるのでお金のことで頭を悩ませることは少なくなります。
社会との繋がりが途切れない
仕事を辞めてしまうと社会と繋がる機会が極端に減る方が多いのではないでしょうか。
今までは人と話をして笑い合ったり、たまにはどこかに遊びに行ったりすることが極端に少なくなってしまうので、人によっては孤独感に苛まれてしまう可能性があります。
その点就労をしていれば社会との繋がりは途切れず、人と話をすることでよりイキイキとした生活を送れるはずです。
健康的な生活を維持できる
障害者雇用で一番大切なことは仕事第一ではなく、自身の健康管理と言われます。
そのためには規則正しい生活が必須となります。
仕事を辞めてしまうとどこにも行く場所がないため、ついだらしない生活になってしまい、体調を崩してしまう恐れがあります。
仕事はときにきつい、しんどいと感じることもありますが、健康的な生活をするためにも必要なことと言えます。
時間を有効に使える
経済的な心配はしなくても良い、趣味や出かける用事がたくさんあって毎日忙しいという方は定年で引退しても楽しく過ごせるでしょう。
しかしそうではない方は日がな一日テレビやネットサーフィンをして時間を潰す、という生活になりがちです。
その点65歳以上でも働いていれば時間を有効に利用でき、賃金もいただける、社会との繋がりもあると良いことがたくさんあります。
もちろん体力的にしんどいと感じることもあるでしょうが、長く働きたいと思っている方はぜひ仕事を続けることをおすすめします。
障害者雇用で65歳以上働くデメリット
障害者雇用で65歳以上働くメリットを紹介しました。
次はデメリットについて紹介します。
体調を崩しやすい
そもそも障害があるため障害者雇用で勤めているのですから、齢を取ったらさらに体調を崩しやすくなってしまいます。
「仕事だから」と無理をせず、適度な休憩をはさんで体調管理につとめることも必要とされます。
世代格差が起こりやすい
障害者雇用は離職率が高いことが問題視されています。
体調の悪化や会社との相性が悪かったなどの理由がありますが、自分の年齢が上がるごとに年下の社員が入社します。
若手が多く活躍している職場だと、65歳以上の社員は浮いてしまう可能性もあります。
賃金が下がる可能性もある
先述したように、再雇用制度で再び働く場合、賃金の引き下げやボーナスがなくなることもあります。
筆者の母の話ですが、再雇用制度で定年延長をしたら時給が入社当時にまで下がり、今までもらっていたボーナスも支給無しになったそうです。
あからさまな差別をする企業もありますので、注意するようにしてください。
まとめ
障害者雇用で65歳以上でも働くことはできるのか、またそのメリットやデメリットなどを紹介しました。
障害者雇用に限らず一般企業でも定年延長、定年なしの企業も多くなりました。
「障害現役」と言われる現在。
体調が良いならば仕事を続けるのも健康に良い方法です。
前向きに検討してみてくださいね。
障害者雇用で働くには、転職エージェントの利用がおすすめです。