障害者雇用は甘くない!というのは本当?

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「障害者雇用は思っていたより甘くなかった」という声をよく耳にします。

どのような面で「甘くない」と感じるかは人それぞれですが、どういった点が「甘くない」のでしょう。

今回は実際に障害者雇用で働いている筆者の実体験をもとに、障害者雇用が甘くないと感じるとき、また対処法について紹介します。

障害者雇用は甘くない? 実体験を告白

障害者雇用は甘くない? どういった点が「甘くない」と感じる?

筆者が思う「障害者雇用は甘くない」と感じる点を紹介します。

A型作業所並みの企業もある

はじめに紹介しますが、障害者雇用でもA型作業所並みに待遇の良い企業もあります。

特に特例子会社(障害者の雇用を積極的に行っている企業)の場合は障害者雇用に慣れているため、待遇が他の企業と段違いの場合もあります。

筆者は特例子会社にて仕事をしていますが、待遇はA型作業所並み、それよりも甘いかもしれません。

就労日数、就労時間や勤務開始時間、遅刻、早退、突発的な欠勤、すべて対応してもらえます。

有休も必ず5日は取るように、とのお達しまであります。

また症状が重くなり休職を余儀なくされる状態になっても解雇はほとんどないようです。

中には半年休職して復帰した、という方もいます。

もちろん100%満足する企業はありませんが、こういった企業があることも知っておいてください。

求人が少ない

障害者雇用が甘くない、という理由のひとつに、そもそも求人が少ないことが挙げられます。

特に事務関連の仕事は体力に自信がない障害者でもできる数少ない仕事のため、求人に応募しても書類選考すら通らない、ということもあります。

筆者も就活をしているのですが、十数社応募しても書類選考ですべて不採用になっています。

一定のスキルや資格を持っているのであれば採用の可能性も高くなりますが、そうでない場合、採用に至るまで時間がかかることもあります。

一般就労者並みのレベルを求める企業もある

企業によっては一般就労並みのレベルを求める企業もあります。

障害者雇用の働き方は「自分の体調を管理しつつ、無理のない範囲で仕事をする」となっていますが、理解のない企業はまだまだあり、健常者と同じ仕事や量を割り振ることがあります。

無理をすると体調の悪化を招くことがありますので、上司に説明して配慮を求めましょう。

学歴を求める企業

障害者雇用で就労する場合、空白期間があっても一般就労ほど気にされません。

「体調不良で療養中」と考えている企業がほとんどだからです。

しかし学歴を求める企業が多いことは確かです。

最低でも高卒を求める企業がほとんどですので、中卒の場合は就活にかなり苦戦することが予想されます。

中には大卒、大学院卒の求人もあるくらいなので、「学歴社会から実力社会へ」と言いつつも、まだまだ学歴は重視されていることを実感させられます。

給料が安い

個人的に一番不満に思っていることです。

筆者は1日6時間、週30時間勤務しています。

確かに就労時間が短いことが給料に反映していることは確かです。

しかし「8時間働きたい」と打診してもダメ、昇給も昇格もなし、という企業です。

不満が溜まっているので今は無理をして働くよりもゆっくり体調を整えて仕事をするようにしています。

一説には、障害者雇用の給料は一般就労の約半分と言われています。

同じ環境で仕事をしている方にとっては納得のいかない話ですよね。

配慮が足りないこともある

障害者雇用で入社するにあたって、何かしらの配慮が必要な場合があります。

筆者はパニック障害を患っているので、発作が起きると15分ほどの休憩を取らせてもらっています。

しかし中には障害者雇用の実績が少ないため、配慮が足りない、配慮をしてもらえない企業もあります。

この点は自分で話をして、「この点の配慮をお願いします」と言うことで解決することが多いです。

キャリアアップの機会がない

障害者雇用の仕事内容は、はっきり言って単純作業、単調な作業がほとんどです。

そのためキャリアアップの機会が少なく、もしも違う企業に転職を考えたとしてもスキルがないため就活が難航することもあります。

筆者もできることは文章を書くことだけなので、就活ができない、というよりそもそもライターの求人がないのが現実です。

そのため今はデータ入力や事務補助の仕事をしてスキルアップを目指しているところです。

障害者雇用を甘く見ていた……対処法はある?

いざ障害者雇用で入社したら、思ったほど甘くなかった。

その場合はどうすれば良いでしょうか。対処法を紹介します。

まずは上司に相談

まずは自分の上司に相談しましょう。

配慮が必要であれば「この点に配慮をお願いします」と言う、キャパオーバーの仕事を任されるのであれば「少しだけ仕事量を減らしてほしい」とお願いするなど、自分で自分の症状、状態をお話ししましょう。

上司も「障害者にどのような仕事を与えてよいのか分からない」と思っているのかもしれません。

また反対に仕事がなくて困っている場合も、上司に相談して仕事の割り振りをお願いするようにしましょう。

コンプライアンス窓口がある企業、カウンセラーが常駐している企業なら、そこから上司に伝えてもらう、という手もあります。

企業への見学を希望

できれば面接の段階で社内の見学ができるか、相談してみましょう。

最近は障害者雇用で面接に来られた方に、社内の様子を見学してもらったり、お試しで数日間仕事をしてもらったりするなど「この企業で長く働いてもらえるか」を障害者に判断してもらう企業も多くなりました。

採用してすぐに退職されたら企業も困りますし、障害者自身も履歴書に傷がつきます。

双方のためにも、ぜひ面接をして社内の様子を自分の目で判断してください。

資格取得でスキルアップ

どれだけ就活しても障害者雇用の採用が来ない。

その場合は資格取得を目指してみましょう。

中卒の場合は高認試験を受験する(ただし高認試験は『高校卒業程度の学力がある』ため、『高校卒業』にはなりません)、希望する業種があるのなら、その関係の資格を取得するなどして対策をしましょう。

資格は持っていて損になることはありません。

また面接の段階でも「○○の資格取得のため勉強中です」とアピールすることで、採用者の印象も良くなる可能性があります。

転職する

「どうしてもこの企業は無理」と感じるなら、転職するしかありません。

転職する際は必ず次の障害者雇用先を見つけてから転職しましょう。

合間が空いてしまうと経済的な問題が生まれ、それがまたストレスになる場合があります。

また「まだ障害者雇用は早かった」と感じたのであれば、就労移行支援を受ける、A型作業所に通所するなど、他の道を探ってもいいかもしれません。

仕事は大切ですが、それ以上に自分の身体も大事です。

無理のない範囲で、腰を据えて働けそうな居場所を見つけてください。

まとめ

障害者雇用は甘くないのか、また対処法についても紹介しました。

障害者を雇用するのは会社の義務となりましたが、障害について理解を得られることは難しいことです。

自分で自分の症状について説明し、周囲の理解を得たうえで楽しく仕事ができれば一番良いですね。

努めている雇用先が甘いかそうでないかは、実際に働いてみなければ分からない部分もあります。

まずは応募して、面接官としっかり話をしてから自分で判断するようにしましょう。

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ひろと

障害者雇用で働くには、転職エージェントの利用がおすすめです。